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『機動戦士Vガンダム』について 1/5 富野が悪い

 富野由悠季ファンとしては口惜しいのだが、『機動戦士Vガンダム』は“総監督”が悪い、としか言いようがない。
 作画や音楽、脚本、美術など、これといった粗があるわけではない。いや素晴らしいとしかいいようがない。たとえば富野自ら指摘するように音楽が抜群にいい。
 “フィルムの新しい感触”などは、『機動戦士ガンダムF91』で手に入れたそれで、それは『∀ガンダム』に受け継がれていくものだ。

 部分部分は魅力的なのに、全体が「あんなもの」になってしまうのだったら、総監督がどうかしている、と思わざるをえないのである。

 もちろん裏の事情は仄聞している。スポンサーにかなりの無茶ぶりをされたというものだ。
 しかし話を逆にすれば、視聴率がとれ、玩具が売れれば、スポンサーとて「テコ入れ」をする必要性は感じなかったということだ。

 富野にも同情できる要素があるだろう。この時期はサンライズがバンダイに買収されるためゴタゴタしていたらしいのだ。バックアップ体制が“薄く”なったと後年述懐していたはずだ。
 スポンサーの横槍があったにせよ、それでも何とかしてしまうマジックが富野の才能であったはずである。
 それが『V』では「あんなもの」なってしまう。

 プアな環境で異色作をつくってきた富野由悠季が、あの素晴らしいスタッフに恵まれながら、『V』をつくってしまったことは哀しいものがある。
 富野の他作品、商業的には大ヒットしないが、作品的には面白い、といった類の「失敗」ではない。

 コマーシャリズムに富野が負けた、というより、コマーシャリズムの無茶ぶりに、それ以上の無茶ぶりで応えてしまったのだ。
 そこに富野の悪意を感じるのは俺だけだろうか。
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コメント

今では「あの時期の富野だからこそ作れた希少作」という扱いになってるのが皮肉なんですよね。

かつての師匠・手塚と同様、もはや「名作」しか作れないというか。

とにかく信者が何でもかんでも「神棚」に祭り上げてしまうわけで。

コメント、ありがとうございます。

 仰る通りだと思います。

 最初に体験したガンダム作品がつねにシリーズ最高だというところがありますからね。
 一部の方が『機動戦士Vガンダム』を過大評価してしまうのは無理からぬことだと思います。

 ただ一部の富野ファンが何が何でも「神棚」に祭り上げてしまうのはいただけません。

 俺のみるところ、富野監督は「秀作」を志向するタイプではなくて、つねに異端で、「異色作」のつくり手だったと思っています。(異端は先端であると思いたいと『だから僕は……』にありましたね)
 だから『V』のエキセントリックな作風に痺れる富野ファンがいることも理解できるつもりです。

 ただ『機動戦士ガンダムF91』には“異端”ではなく“正統”を志向する作風の転機があっただけに、『V』はほんとうに無念だったろうな、と俺などは想像しています。
 『V』がなければ、『F91』から現在に至る“正統”志向は、フィルモグラフィーとして綺麗に繋がるんですね。

自分にとって

最初に見たのは初代だったはずですが、何か違和感があって、前の『ザンボット』や『ダイターン』ほどにはのめり込めなかったんですよね。

そして全体として通しで見たのは再放送が最初ですが、映画にも見に行ったのに、こちらもしっくりこなかったというか。

そして自分が富野作品にようやく復帰するのは、実に『エルガイム』の終盤になってからで、そのまま『Z』に入ってようやくしっくり出来たというか。

Re: 自分にとって

 コメント、ありがとうございます。

 ああ、そういうケースもあるんですね。世代論の難しいところですよね。

 てっきりJINさんは『Ζ』世代だと思っていました。『Ζ』が好きで『ΖΖ』が嫌いなあたり、『Ζ』世代にままみられる傾向ですから。

 初代のどのあたりに違和感があったのか、興味深いですね。星山成分に拒否反応があったのかな。
 初代にだけ違和感を覚える感性は、富野作品で初代が別格、ということを考えると、実に正しいと思います。

自分の場合

個々のエピソードでは好きなのはあったんですね。

一番は「ジオンの脅威」でしたか。

とにかくシャアよりもラルが好きでしたね。

あと「大西洋血に染めて」もですね。

アムロよりもカイが好きだったのは確かです。

本放送の時に感じたのは、むしろ『キャシャーン』っぽいというところでしょうか。

Re: 自分の場合

 コメント、ありがとうございます。

 シャアよりもラル、アムロよりもカイ、というあたりが面白いですね。

 俺も初代で一番好きな男性キャラクターはカイですね。カイ一択。カイみたいなやつと酒を呑みたいな(笑)。

 ラルも土臭いところが好きでした。ただ広い意味での「政治」のできない男というのは大人としてどうなの?という感じを大人になった今では感じます。俺が彼の上司でも前線に張り付かせますね。せいぜい部長がいいところです。

 ラルのいう「いい眼をしている」とララァのいう「綺麗な瞳をしているのね」は対比がきいていていいんですね。
 ラルはアムロに男を教え、ララァはアムロに女を教えることになる……とそういう解釈もできますしね。

政治性の無い男

という意味で対極なのがマ・クベという感じでしたね。

まああちらはあちらで策謀型というより策謀に酔うタイプといった感じもしますが。

Re: 政治性の無い男

 コメント、ありがとうございます。

 マ・クベはラルとならんで好きなキャラクターですね。
 マ・クベの不運はいろいろとありますが、成り上がりのジオンで果たして有能な部下をもてたのかどうか、成り上がりのジオンにどれほどの政治交渉の手札があったのか、など、生まれてくる時代と場所を間違えたところがありそうです。
 キシリアに壺をとどけることにこだわるところが印象に残ります。かれはシャアと同じくキシリアの一本釣りだったのかもしれませんね。
 かりにそうだとしたら、キシリアが大戦終結後、武のシャア、文のマ・クベを想定していたとすると、彼女のセンスの良さが際立つ感じです。

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