ガンダム30周年でなんか書こうと思ったらもう師走だよ

Gのなんじゃとて のなんじゃとて

 『ガンダム Gのレコンギスタ』は第1話からうかがえるように必ずしも富野色全開というわけではない。
 しかしそれにしたって面白芝居の少なさは例をみないのではないだろうか。
 面白芝居とは文脈関係なく楽しめる、エキセントリックなアレのことだが、それが思いのほか少なかった。

 「Gのなんじゃとて」は『G-レコ』の魅力を面白芝居をフックとして描き出すつもりだったのだがアテが外れた。
 だが俺にとり回を追うごとにはっきりとする面白芝居の少なさは新鮮な体験となった。

 富野脚本でどうなっていたのかは知らないが、音響監督の手腕も光る今作、面白芝居の少なさはよい選択だったと思う。
 あるいはこれが富野の本領かもしれないと思えるのなら、それはそれで興味深いことである。

 以前、JINさんとのコメント欄でのやりとりで、ある意味俗にいう富野節は認めていない、作劇の弱いところに頻出するからだ、と書いたことがあるのだが、今作はその点では「成功」したのではないだろうか。
 “わかりづらさ”はじめ「失敗」も散見できる今作だが、芝居における隙の無さでは突出して出来のいい作品であったといえる。

 遺作というにはあまりにももったいない、フィルモグラフィー的に分岐点となる重要な作品で、早くも次回作を期待したくなった。
 なにより“処女作”の熱気をもった作品を突如つくりだす鬼才ぶりは驚くばかりで、まだまだ現役でがんばって欲しいと願わずにはいられない。
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Gのなんじゃとて 第25話から第26話 ネタバレあり

 ・第25話「死線を越えて」
 凄惨な殲滅戦のなか女司令マッシュナー・ヒュームの指示で生き延びた戦艦クノッソスであってももはや戦えるといった状態ではなかった。それでも戦えると主張するのがマッシュナーであれば艦長の態度も煮えきらないものになるのは仕方のないことであったろう。フルムーン・シップの乗っ取りを仕掛ければいいと明言されても「我々はガランデンの下を潜りぬけなければならないが」という話にはさすがに聞き捨てならなかったのだから艦長は片手を挙げて制止しようとする。その手をパチンと払れれば話の腰を折ることに失敗したことを知る。払われた手を見つめながら話のつづきを聞かされることになる。それでも「我々を追っているサラマンドラがガランデンとやりあってくれる。そうなれば我々が勝ちにいける」などと言われれば顔を上げて「そーんなにうまくいくか」と相手をするしかない。この一連の芝居がいい。「うまくいくってロックパイが言ってるんだよぉ」と目を見開きながら宙をみつめるマッシュナーの様子は尋常なものではなく、地球に引っ張られるんだぞと艦長が言ってもきかないのだから、さすがのクルーも投降しましょうと口出しをせざるをえない。「引っ張られないように加速!」と自ら操作したマッシュナーは見開いた目で宙を見つめながら楽しそうだ。この場面のマッシュナーの演技がいい。
 「大丈夫?」と心配げに声をかけるベルリには応えずにいられるアイーダだが「お父様のこと、ご愁傷様でした」とラライヤに真面目に言われれば「ありがとう」と応えるしかない。ここの流れもいい。目をつむるアイーダ。少しの“間”ができる。その“間”のあいだにハロビーが下から上へと動く。「父は……」と語りだすアイーダ。“間”のあいだに黙考をしていたことをうかがわせる場面だ。時代や組織にどう向き合ったか、父の人生の輪郭を描いてみせるアイーダ。平静な声だ。「ヘルメスの薔薇の設計図に踊らされて」具体的な話になると高ぶってくる。「イノベーションだ、宇宙の革新だなんて」父の夢について語りだすと涙をこらえる様子になる。ここの芝居がいい。
 マニィはMAジーラッハで戦場に駆けつけることを決意する。モニターごしに引きとめようとするフラミニア。そのモニターをさえぎるマニィの背中。同時にフラミニアの話もさえぎられる。ここの場面がいい。バララが心配だというのが表向きの理由だから「バララに手柄を立てられたらルインを」という独白は胸中に秘めていなければならないはずで「とられちゃうじゃない!」と出撃の気合とともに思わず叫んでしまうマニィは「女の力で~!」とかつて無茶をした少女であったこととかわりがない。
 お悔やみを言われても傷心をみせず的確な指示を出してみせるアイーダであっても艦隊の指揮を執れと言われれば泣き出しもする少女にすぎない。窓?越しに手のひらを合わせているのはドニエル・トス艦長だから優しいいたわるような声で説得もしてくれる。「そんなの無理です!」首をふるアイーダ。掌を離す艦長。「姫さまの義務なんですよ!」そこにドンと叩く。この流れがいい。作品内で二度目の“姫さまの義務”。後ろのステアの表情もいい。泣くのをこらえている。涙をこらえきれず画面外にでるステア。ここの芝居もいい。涙は窓越しのふたりをつなげる。「私にはできないよステア!」「あんたにはできるんだよ!」ここもいい場面だ。第五話以来アイーダとステアの親密さを知らされる場面でもあるしそのときはグルーミングで慰めてもらう後ろ姿を映すだけの場面であっただけに、“互いに顔を映す・慰めより激励・触れ合えない窓越し・こらえきれない涙”という対比がいきてくるからだ。
 G-ルシファーの一部武装を失って「ハッパたちにどやされるぞ」とケルベスに言われていただけにメガファウナデッキで「遅いんだよ!みんなは!」と殺気立っているハッパにその勢いのまま話かけられるものだから「こわい~」と怯えて身をのけぞらすラライヤとノレドなのだ。このときのふたりが可愛い。仕草も台詞も完全に同期しているのはアニメならではの可笑しさでもある。
 「ビームシールドを張るんだよ!」と指示するマッシュナー。「出力は分散できません!それもロックパイの指示だってのか?」と艦長。「そりゃそうでしょう!」と嬉しげに断言するマッシュナー。でしょう!の演技がいい感じだ。
 戦場の火球の数を観て「マスクと敵も互角の数ってこと?」とマスク呼ばわりをするマニィだって初めて実戦に突入するのだから「ルイン先輩!お手伝いします!」と気合をいれるのは自然なことだ。呼び名の違いが面白いのがマニィの芝居だから目が離せない。
 ジット団のビーナス・グロゥブ製のモビルスーツはその性能で敵モビルスーツを圧倒する。「ビーナス・グロゥブの技術に土下座させてやる!」と敵を撃破するクン・スーンの台詞は気持ちいい。「が!死に物狂いの人間は怖いぞ!」実戦を知らないジット団の連中に独白するマスクだから「トワサンガ人は月を見てりゃいいのだ!」と弾幕のなか駆ける勢いがカッコいい。 
 マスクの直撃をくらうクノッソス。マッシュナーはかがみながら耳に両手をあてている。この芝居がいい。耳をふさいでいるだけのか、聞き耳をたてているのか、両方なのか、判然としないところがいい。ついに撃沈されるクノッソスではマッシュナーが爆炎に包まれる。「一緒だねええ」と笑いながら蒸発する。宇宙をはしるニュータイプの音に魅入られた者の末路なのか。正気を失っていく過程を見せられていただけにある種の安堵感を覚える不思議な味わいのあるいい場面だ。
 敵戦艦の壮絶な最期を見つめながら「これが戦争かぁ」と感動するチッカラ・デュアル。「戦争が文化を進歩させるとは、キア・ムベッキ隊長のお言葉でした」と胸のロケットペンダントにそっと手をあてるクン・スーンは感無量といった趣だから「なにか?マスク大尉」とこわねが急変するところは噴く。
 ジット団とマスクとの温度差を描いてきただけにMAジーラッハがきてくれたと知って「マニィの光」と呟くマスクのこわねも変わるところもいい。
 「クンパ大佐もここで降りたのです。怖がっている職員は励ましてあげないと」と言われれば法皇とて沈黙せざるをえない。ウィルミット・ゼナム運行長官の決然とした態度に感動とも気圧されたともとれる判然としない芝居がいい。微妙な表情のままの法皇が画面に向かって手をにぎにぎして挨拶するのが可笑しい。
 ドレット艦隊が全滅したのだから後はアメリアのサラマンドラだけだと息巻くジュガン・マインストロン司令官にメガファウナの話をもちだすクンパ・ルシータ大佐は手に持った紙束のなかから一枚をみせる。ウィルミットは「メガファウナに私の息子がまだいるんじゃないんですか」と言ってクンパから紙束をとりあげる。ここの紙束をめぐる芝居がいい。
 「あの四機はビーナス・グロゥブのもの!」とミック・ジャック。「ならば互角か!」とクリム・ニック。ここは可笑しくもカッコいい場面だ。会話が成立しているように聞こえるのが可笑しい。もちろん会話が成立しているわけではない。ミックと同時に「ビーナス・グロゥブのもの」と視認していたからクリムも「ならば」と言えたのだ。同じビーナス・グロゥブ製のものならば二機と四機で互角だと言い切ってしまうクリムがカッコいい。
 「出稼ぎ部隊など沈めぇ!」とミック・ジャック。ここの台詞も噴く。出稼ぎ部隊って(笑)。
 宇宙育ちがいぶかる「足元って下だろ?」という台詞が「あいつら重力は気にならないのかい?股がすーすーするのに」という台詞につながるのがうまい。地球に対して足を向けるかたちで機体を制御していることがわかる。「おしっこ出そう!」という台詞にもかかる。 この流れをマッチョなチッカラが言うのだから可笑しい。「気合を入れよ!」「せいの!」「ふん!」ここも可笑しい。直後にアイキャッチである。ここも笑える。テレビならではの面白さだ。
 二機のモビルスーツが接近し戦闘になるだろう局面でベルリは編隊から離脱することを命令される。「出撃前の命令どおり、ベルリはガランデンを説得する!」とアイーダが言っても「ジット団のモビルスーツかもしれないのに!」とベルリはためらう。「姉貴の!私の命令でしょ!」とアイーダが突き飛ばす。ここのやりとりが好きだ。
 「ビーナス・グロゥブの人は武器は使わない!」ジット団と戦闘になったときのアイーダの台詞も印象に残る。使わないはず、と言いたいのか、使ってはだめ、と言っているのか判然としないのがいい。
 「ベルリ、お願いだからルインのために負けてやって!」「ベルリ、マニィのためにやられてやってくれ!」ここの場面が好きだ。マニィとルインの思いが伝わってくる。
 「ベルリはいっぱいいい目にあってきたんだから、残りの運は私たちに頂戴よ!」と叫ぶマニィがせつない。二人がかりでもかないそうにないベルリがついにルインを追いつめたような場面ででた台詞だ。圧倒的なベルリはしかし戦いに勝利することが目的ではない。「もう残っているのは二隻だけなんだから戦うのは止められるでしょう!」このすれ違い。
 大気圏突入を前に緊迫する戦艦サラマンドラではクルーのひとりが耐熱フィルムは本当に大丈夫なのかと懸念を表明するが「大丈夫だから本艦にも塗ったんでしょ!」と航海日誌とマッシュナーが趣味の艦長がテンパってどなる。塗ったんでしょ!の声が可笑しい
 大気圏突入寸前の戦艦ガランデンでは「マスクのカバカーリーはどうしたんだ?」と艦長が怒鳴っていた。「マスク機、画像出ます!」「これか!よくわからん!」ここも噴いた。即答というのが可笑しい。
 大気圏突入前のメガファウナへはベルリG-セルフが武装の性能を利用してG-アルケインとG-ルシファーを推進していた。「そのまま、まっすぐです」「さすがベル!」「メガファウナです」三人の少女の声が華やかだ。「こういう使い方もあるんだ」とベルリも嬉しそうである。殺気立ってない主人公勢力。他のニ勢力との対比がいい。
 「サラマンドラはなんで逆噴射をかけないんだ!」ミック・ジャックは苛立っていた。艦長はまったく要領を得ない。耐熱フィルムを塗ったのだから大丈夫だし最新鋭の船なのだから大丈夫と言う。「船体に傷はないな?」「へ?」「かたちが複雑なのは気にならないか?」「かたちが複雑すぎるって」「問題なんだよ(イラッ)、大尉ぃ」このやりとりが可笑しい。「冷却システムがわかったぞ! ミック!来い!」「クリム大尉!」このクリム・ニックの頼り甲斐。艦長との対比。まるで男の胸にとびこむようにミックのMSが飛ぶ。ここもいい場面だ。
 マニィのMAジーラッハとマスクのMSカバカーリーは大気圏突入中だった。マスクの指示に「はい」「はい」と応えるマニィ。「俺とマニィが一緒に助かるためには」マニィが聴いている。「この方法しかないと思った」髪をかきあげるルイン。「失敗したら一緒に死ぬことになる」「いいわよ、ルイン」ここの芝居も好きである。いいわよのとき突然こわねが変わる。今までハイハイだったから余計に印象的だ。
 戦艦ブルジンに乗らずウィルミットが操縦する大気圏グライダーに搭乗したクンパは「私はただ物事を観察する傍観者ですから」とその理由を述べる。「ブルジンを呼び戻したのは大佐でしょうに」と思うウィルミット。ここのやりとりも引っかかるものがある。戦争に勝利できたかもしれない局面でブルジンを撤退させたのがクンパだからだ。傍観者ということはありえない、なにを考えているんだ、と視聴者を気を持たせる場面だ。
 「空気抵抗だ、ダーマを放出する」「いきなり実戦でダハックですよ」「だれが操縦していると思っているんだ」「あはは 天才クリムでしょ!」ここのやりとりもやっぱり好きだ。抱き合う二機のモビルスーツもいい。
 G-セルフの存在をキャッチしたMAジーラッハのマニィ。「よし、一撃で仕留めてみせる。それが友人であった者への礼儀だと思っている」とルインが決意を言葉にすれば「そうしてやってください。そのための手伝いはします」とマニィも覚悟を言葉にする。ここのやりとりもいい。悲壮感が漂っている。
 「クン!地球ってさ、あったかいね」「キア隊長、これがほんものの土の色ですよ。緑もみえる」クンはロケットペンダントのキア・ムベッキの写真に緑の大地を見せる。ここはやはり感動的な場面である。

 ・第26話「大地に立つ」(完)
 G-セルフ単機で大気圏突破をしてみせたベルリであっても戦果どころか母艦ともはぐれてしまえば反省もする。ヘルメットを脱ぎパイロットスーツの前も開けるのだから油断していたと言われてもおかしくはない。水分補給はボトルで片手がふさがれるので一息入れたいときになる。敵影が急迫していることに気づいたのはそんなときで、あまりの動揺にボトルをしまえずどこかに放り投げてしまう。この流れが面白い。超人ベルリの単純なヘマが物珍しいし、なによりその慌てぶりが可笑しい。水分補給用のボトルをなくしてしまうというのも暗示的だ。一息つけないのではないかという予感である。
 G-セルフの上空から急迫してきたのはMSカバカーリーとMAジーラッハの二機でマスクとマニィの機体だ。マスクは狂喜しつつベルリG-セルフに戦いを挑もうとするが「G-セルフの上空にも二機、あります!」とマニィに指摘されてしまう。G-セルフ上空を駆けるもう一方の機影はMSダハックとMSトリニティの二機でクリム・ニックとミック・ジャックの機体だ。ミックは初搭乗のダハックで実戦にでることを心配するがクリムは機体性能を使いきってみせると言い切る。「天才は天才だろう」と平然と告げたときクリムもまた上空に機影を見る。MSジャスティマとMSマズラスターの二機でチッカラ・デュアルとクン・スーンが乗っている機体である。コンソール画面をみるクンはジット団が製造したビーナス・グロゥブのマシンが集結していることを知る。「センターのアンノウン以外は」ここの流れも面白い。G-セルフの上空に続々登場する編隊(笑)。その中央に位置するG-セルフ(笑)。この流れも楽しい。
 G-セルフのベルリが大ピンチかもしれないという流れのなかで「姫さまがベルリを救けるって」という場面になるのだからアイーダの弟への愛は本物だというのが伝わってもくる。温かくなる場面だがアメリア軍の新手が現れキャピタル・アーミィのブルジンすら降下してくると知ればメガファウナだって危ないと流れていく。その流れのなかでアーミィのジュガン・マインストロン司令がマスクだって戦っているらしいと知らされればG-セルフの戦闘場面へと繋がっていく。この疾走感がいい。
 G-セルフの戦闘場面はマスクとのものではなくマニィとのものだったのだからベルリはあっさり逃げ去るわけでそこで混戦を予感することにもなる。混戦のなか「なんでこうなるまで混戦をやるんです?地球人は戦争オタクですか?」と慨嘆するローゼンタール・コバシはビーナス・グロゥブの男だが「ガランデンの働きは観たいのですが」と言ってしまえるクンパもまたビーナス・グロゥブ出身とあれば人類の業とは根が深いものだと知る。ここの皮肉がきいている流れも好きだ。クンパを乗せたグライダーがガランデン上空を横切るのだからそこにマスク機がいてもおかしくはなく「ガランデンに合流しろ」とマニィに告げることもできる。パイロットスーツの前を開いているマスクなのだから余裕があったことも知れてベルリを見失っていたことも知れる。「飛び級生は何を考えてるんだ!」と吐き捨てるのは混戦のなか戦争をしているようにはみえない姿で単機飛行するG-セルフを発見したからだ。対マスク戦に繋がっていく。いよいよか!と感じさせてくれるいい流れである。
 G-セルフを駆るベルリは「艦隊の戦いは止めさせる」と宣言しているのだから隙もうまれる。隙はマスクの急襲を呼びMSカバカーリーから放たれたビーム・リングはG-セルフを捕捉する。捕捉されれば電撃をくらうのだからベルリは痺れて金縛りにあう。金縛りなどは全方位レーザーで破ってみせるのだから「G-セルフは悪魔か!」と罵られもする。ここはG-セルフの独壇場だ。いつもの流れではあるが楽しい。G-セルフは悪魔などではないのだから出力が続かないのが現実ともいえる。現実はビーナス・グロゥブのマシンが強力であることも教えてくれる。この流れもいい。G-セルフの優位性がなくなってきていることを知らせる場面だからだ。ビーナス・グロゥブのマシンが強力であるとはいっても同じビーナス・グロゥブのマシン同士であれば戦闘も激化する。製造者のジット団はマシンの機能を知っているだけに有利に戦闘をしてみせもする。「ミック、迂闊だ!我々のマシンは彼らが建造したものなんだぞ!」とクリムが言えばミックも「そうでした。しかし彼らの戦い方の手の内もわかったんですよ!」「そうだな。ビーナス・グロゥブのジット・ラボの正体も想像がついたというものだ」と会話がつづく。正体を想像されたビーナス・グロゥブのクン・スーンはキャピタル・アーミィの大編隊を目撃する。ここの流れもいい。クリムとミックの会話に興味を惹かれたそばから場面は艦隊戦に移行するからだ。気を持たせるいいのがいいのだ。艦隊戦などはモビルスーツがいれば撃沈されるのが艦船の宿命といえる。宿命なのだから艦隊戦などではなくモビルスーツ戦を楽しんでしまうのがクリムであって「七機!いや九機め!」と余裕で撃墜もする。ここのクリムは文句なくカッコいい。天才の面目躍如だ。撃墜しまくるクリムははしゃいでいるともいえるのだが「あの軍艦に乗っている大人って大きなおもちゃをもらってはしゃいでいるんです!」と生真面目に言えるのはラライヤだからで「あなたたちはそういうものを使う意味をわかっていません!」と軍艦を撃沈してみせる。ここのラライヤは『ブレンパワード』の比瑪ちゃんみたいで凛々しくも可愛いカリスマだ。ここも好きな場面である。ラライヤとノレドをねぎらうアイーダ機が両手をひろげて迎える芝居もいい。
 G-セルフのベルリにだって思いどおりにならないこともある。「今になって!こうも立て続けでは!」という台詞だって吐くことにもなる。追いつめられ感が珍しい場面だ。視聴者があれ?と引っかかるのがいい。マスクとの戦いがあったのだから水分補給もままならないベルリであればG-セルフだって困憊もする。マスクに発見されれば「地上を這いずっていたとは、似合わんぞ!飛び級生!」と嗤われることだってある。そこまで追いつめられていたことを知る衝撃的な場面だ。このときのマスクの台詞まわしがいい。パーフェクトバックパックは伊達ではないのだから多彩な攻撃だって繰りだせる。アサルトで狙撃したのだから威力がなければならないはずでカバカーリーも小破でもしてくれなければマスクにだってバッテリー切れを見ぬかれる。「バッテリー切れだな。ベルリ・ぜナム君!」と言われるのだから戦慄もする。この流れもいい。G-セルフの危機があらわになった場面だからだ。ここでアイキャッチが入るのだから心憎い。バッテリー切れを見ぬかれたってパーフェクトバックパックは伊達ではないのだからトリッキーモードで逃げることだってできる。必死に逃げれば陥没した穴に落ちてしまうことだってある。無線が使えないってわかってしまえば仲間の動向すらつかめないことを知る。「みんなはどうなっちゃっているんだ」と困り果てることにもなる。ここも好きな場面だ。頬を両手でつよく挟んでしゃべるから声がくぐもってしまうのである。声も仕草も可笑しい場面だ。ベルリが初めてみせる仕草なのだからよっぽど困惑しているという場面なのだろう。穴の底にいるのはベルリなのだから上空のモビルスーツ戦は一瞬であったって観る。上空であってもモビルスーツ戦は格闘が基本といえる。「なにがビーナス・グロゥブのジット団だ」とクリムが言えば「しょせん懐古主義の歴史オタクってわかったんだよ」と言い放つミックには油断ができる。油断はビーム・ウィップを呼びミックは電撃に痺れる。ミックのそばにいるのはクリムなのだからビーム・ウィップだって斬ってみせる。ビーム・ウィップを斬られればダハックのビームの強さにクン・スーンだって驚愕をする。「ダハックめ!」とチッカラ・デュアルはもともとジット団の機体であっても吐き捨てる。チッカラの駆るジャスティマはベルリも苦戦した真の強敵といえる。ジャスティマをあっさり撃破してみせるクリムは真の天才といえる。撃墜される瞬間チッカラが「キア隊長!」と最期の言葉を口にするのも印象的だ。彼のカリスマ性が本物であったことが知れるからである。ここのクリムもカッコいい。ビーナス・グロゥブ製の機体性能があるとはいえそれを初搭乗で常人以上に使いこなすのだから天才ぶりが際立つ。最終回はクリムの強さが目立った。強い人間といえるウィルミット・ゼナムだって息子を心配する母なのだから動揺もする。動揺する母は戦況すら知らず息子の姿だけを求める。戦況を見渡すクンパは「まるで戦いになってない」と冷静に論評してみせる。この対比がいい。望遠鏡をのぞくウィルミットは上空ばかりを探している。「ベルなんだからベルを鳴らして頂戴!」台地の下をみる。G-セルフが下から上へジャンプへする。この流れが素晴らしい。上空ばかりを探しているもどかしさ、やっと台地の下をみる安堵感。そこに下から上に……だ。
 G-セルフだってジャンプをする。ジャンプをしたからって逃げてまわっているわけではないのだからベルリの意志は固いといえる。戦いを止めさせることが意志のベルリなのだからパーフェクトバックパックの新らたな使い道だって覚えもする。「わかったよ!フォトン・サーチャー!」と叫ぶベルリにしてみれば希望はすぐにそこにある。ここの場面もいい。G-セルフが逃げまわっていただけにカタルシスが大きいからだ。反撃の手がかりをつかんだらしいことがわかってワクワクがする場面だ。G-セルフのフォトン・サーチャーを使うベルリなのだから戦いの根源だって知る。「パワーの高いところを黙らせれば人を死なせないで戦いを終わられるんだ!」ここも好きな流れだ。ついに反撃がはじまると思っていたらベルリはもっと大局をみていたからだ。そんなベルリは真のヒーローといえる。バッテリー切れのG-セルフだってベルリの覚悟があるのであればジャンプだってしてみせる。戦場を不審な挙動で移動するG-セルフなのだからマニィのMAジーラッハであっても発見される。ルインのために必死なマニィだから「G-セルフです!」と発見すれば血気にはやるのは自然なことである。
 G-セルフのベルリであっても「ベルリ!ルインのためにいなくなって!」と血気にはやるMAジーラッハをみればパイロットはマニィかもしれないと思えるのだから防戦一方のなかで洞窟に逃げこんでみせる。すでにヘルメットを脱いでいたマニィなのだからG-セルフ探索に時間をかけていたことがうかがえても巨大MAジーラッハでは洞窟まで追撃できないと知れば口惜しさに泣く。ここもいい。マニィがベルリ撃破にみせる迫力も「ルイン先輩!ごめんなさい。なんの手伝いも、できなくて」と口惜しさげな仕草もいい芝居だ。
 G-セルフが逃げこんでみせた洞窟だってMSカバカーリーであれば容易に入ってこれるのだから追撃は終わっていないといえる。ライトを照らし周囲を見渡せばマスクだって化石じみた旧式モビルスーツの残骸をみる。残骸を見せられたマスクなのだから宇宙世紀時代の遺跡だと断定してみせる。ここは燃える場面だ。初代ガンダムで舞台になった戦場の跡だからだ。サービスシーンなのだろうが嬉しいものは嬉しい。マスクは宇宙世紀時代の遺跡だと断定できるのだからベルリの居場所だって見当もつくし無様なジャンプを繰り返すG-セルフの姿をみればバッテリー切れであることだって見当もつくのだから「勝負、かけた!」と意気込んでみせる。実際カバカーリーは着実にG-セルフを追いつめるのだからベルリだって困窮する。「姉さん、どうしたらいいんだよ!」と独白することにもなる。アイーダが呼んだのかベルリG-セルフはかろうじて遺跡から脱出することに成功する。ここはちょっと微妙な場面だ。わかりづらい。
 G-セルフが脱出してみせるとそこにはケルベル機とリンゴ機がいるのだから緊張だって多少はとける。大気圏グライダーを発見すれば母のもとにだって舞い降りることができる。ここはホッとする場面だ。しかしそれは一瞬のことである。MSマズラスターに搭乗するクン・スーンは戦意など失っていないのだからアンノウン機にだって急襲する。戦意に燃えるクン・スーンなのだからマズラスターが崖下に蹴落としたグライダーのことなど意に介さなかったことは想像できる。グライダーのそばにいればクンパ大佐だって崖下に転落する。ここも印象に残る。あまりにもあっけない死である。思わず「ええ?」となる場面だ。
 G-セルフのベルリであればマズラスターを撃墜することはたやすいのだからトラクター・ビームで捕捉するのは慈悲ともいえる。MSマズラスターのクン・スーンだって撃墜する意思もなく捕捉されれば「なんだ、この縛りは なんで私を縛る」と戸惑いもする。「縛ったんじゃなくて繋がっているんです。もう僕は攻撃はしません」と言われればクン・スーンだって慈悲を知る。この場面も好きだ。ベルリの理想が敵対者にハッキリと理解された初めての場面だからである。直後に理想を解さない最大のマスクが「Gめええ!」と飛び出し来るのだから対比としてもいきてくるのがいい。
 G-セルフだって不意打ちをくらうことはなくはないのだからMSカバカーリーの奇襲にだって対応もする。カバカーリーが狙撃すれば避けもするし応射もする。ビーム・セイバーがふられてもシールドで受けもする。シールドが破損したってバックパックの武装で仕留めにいける。出力が足りないのは悲惨なことだと知ったときには顔がつくほど接近されて動きもとまる。ビーム・ライフルが蹴落とされればショックも受ける。間合いをあけられビーム・ショットガンの銃口を目撃すれば手でそらすしかない。左脚を蹴られたって隙をもらえればビーム・サーベルをふるうことにもなる。左腕、右腕と斬っていっても、斬って宙を舞う右腕のビーム・ショットガンが右脚を破損してくれれば機体に未練もない。コア・ファイターで脱出する。ここの戦闘場面も面白かった。ビーム・ライフルが蹴落とされた場面で、アイーダ、ラライヤ、ノレドがそれぞれ「あ」「え」「い」などと声をあげたのが可笑しかった。同場面ではクン・スーンが若干心配げに見守っているのも印象に残った。同場面で一番尺をつくってカメラが追うのが母ウィルミットだというのがベルリを象徴しているのかもしれない。コア・ファイターで脱出するとき「レイハントン!」と言うのも意味があるだろう。「スコード!」ではないのだ。
 MSカバカーリーの残骸のうえではマスクが「ベルリー!」と悔しげに叫んでいる。その上空にはコアファイターが飛行している。ベルリは「動いているなら」と安心する。動いているなら(生きているだろう)ということだ。だから「動いているなら」にかぶさるように「生存者は……」とはじまるのが心憎い。コアファイターはそのまま演説するアイーダ機を横切る。この流れも好きだ。これにて一件落着!という場面である。
 駆け寄る母ウィルミットに「走らないでよ」と声をかけるベルリは両手をひろげている。そこでカットはクン・スーンにかわるのだが、彼女のみつめる先に抱き合う母子がいたことがうかがえる。「キア隊長 地球にはああいうやつもいるんですよ。ここで……会わせたかったな」と呟くクン・スーンはロケットペンダントのキア・ムベッキの写真にベルリたち母子をみせている。母なる大地をみせた場面との対比。
 後日譚。フラミニアがムタチオンであったことがわかる。絵面としてビックリする。誰にも知られなかったと言われアイーダも驚く。ボディスーツをひとりで着られるんですかと気を使うノレドにフラミニアは腰を下ろせばひとりでできると答える。そこにMSグリモアに乗ったベルリが迎えにくる。彼女たちをグリモアの手のひらに乗せて運ぶ。「ほんとうなんですか?」とノレドが問えば「トワサンガに帰ってから考えます」とフラミニアがかすかに笑いながら答える。「すごいなー女の人って」とベルリは呟く。この流れも面白い。流れから考えれば「女の人」はフラミニアのことだろう。しかし何で「すごい」のかは明かされない。そこがいい。
 後日譚。ウィルミット運行長官が定刻どおりに出発しなさいと電話越しに命令している。法皇が彼女の肩をたたく。「なんです」とキツい調子で振り返る彼女は相手が法皇であったことに驚く。法皇の後ろの窓越しに出発するクラウンと出航するクレッセント・シップの姿がみえる。ウィルミットは「ああっ出発しちゃった」と悲鳴めいた声をあげる。ここも可笑しい。時刻がどうの出発がどうのと厳しく管理している彼女自身がベルリの見送りに失敗する。
 後日譚。チアガールたちが華やかに声援している。たくさんの人々が見上げている。クレッセント・シップは見送られる。キャピタル・テリトリィに平穏な日常が戻っていることを知る。今作は“現代世界の諸問題を一応は解決した”世界が舞台なので重要な要素である平穏な日常がこうして描かれる。大団円したんだなーと実感させてくれる場面だ。だから後日譚ととらえていいと思う。
 後日譚。夕焼けと青空がまじりあう空にクレッセント・シップが航行している。「ついに世界一周旅行かい」「ルイン?コーンスープ」「おうすまない」テントとシャンク。綺麗ねとマニィが言えば、ああとルインもこたえる。この場面が嫌いなやつはいないだろう。
 後日譚。満月の夜。「クレッセント・シップで大統領を叩き潰せ」とクリム・ニックが言う。「了解」とステアが軽く即答する。ここで噴く。艦長は止めるが結局クレッセント・シップは演説中の大統領につっこんでいく。要人たちは逃げ惑う。ここはスカッとする場面だ。ちょっとした意趣返しである。また艦内の日常場面が一瞬垣間見えるのもいい。リンゴを食べているベルリ、本を読んでいるノレド、編み物をしてるクン、ラライヤ、アイーダ。クンはすでにお腹が大きくなっているような気がする。
 後日譚。ミック・ジャックはクン・スーンの大きくなったお腹を触りながら「キア・ムベッキ・Jr.?」と驚く。「おかしい?」とクン・スーンがきく。「いいけど」とミックが言う。「ミック!」とクリム・ニックが呼ぶ。「ありがと」とミックが言ってグライダーに走る。「お気をつけて」とクンが声をかける。「おまたせ」とミックが言う。グライダーが飛んでいく。快晴。エメラルドグリーンの島々。クリムとミックにふさわしい。お腹の大きなクンがひとりだけ見送りきた、という謎をふくんだ場面でもある。その思わせぶりが印象に残った。
 後日譚。ノレドが「いない、いないよー」と大騒ぎしている。クレッセント・シップを探しまわり、メガファウナのブリッジまでやってくる。「ベルハドコダ」とハロビー・ノベルが機械音声で訊く。「ベルがいない!」とノレドは焦ったように言う。「さっき降りたよ」とステアが言えば「日本で、留まったろ」と艦長も言う。ふたりとも当たり前のように言う。ええッとノレドは絶句する。「ノレドさん!預かり物!チュチュミィの世話は頼むって伝言でした」とにっこり笑うアイーダはノレドにチュチュミィを投げ渡す。ノレドは顔をチュチュミィにつけて大泣きをする。この様子だとベルリの一人旅は皆も承諾するところだったようだ。ノレドには気の毒だがベルリの意思をくんだのだろう。誰もノレドに気を遣っていないのもポイントである。ノレドにだけ秘密にしていたのだから悲しむのはわかっていたはずだがいたわりのそぶりはない。ノレドがふられたわけでもないらしいというのがわかる。こういう細かい芝居が好きだ。クレッセント・シップ内では、ラライヤとケルベスは雑誌を読み、リンゴがパフェを二人ぶん持っている、という場面が印象に残った。特にパフェを二人ぶん持って突っ立てるリンゴの絵面が可笑しかった。
 後日譚。ベルリはシャンクに乗った老夫婦に富士山についていろいろと質問している。「シャンクで登れんですか」と訊けば「山道はあるよ」と答えてもらえる。「15分だな」とはじめて口を開いた老爺が言う。ええっとベルリは驚く。あははと笑いながら「下山するときスバシリを使うと15分だってこと」と奥さんの方が教えてくれる。ベルリはさっそく富士山を登っていく。やがて山頂に着く。雪。青空。光。雲海。「そうか!」とベルリは誰とはなしに言う。「後ろが太平洋で!前が日本海!」と両手を広げて伸びをする。「海を渡って!大陸に入るぞ!」とベルリは下山をはじめる。道もない下り斜面でスバシリを試してみる。「そうか!」感覚はつかめる。「跳べ!」とシャンクを跳躍させる。「僕はこれで!世界一周するぞ!」左腕を天に突き上げる。ここの場面は山肌が色合いのベースになっていて青空が占める割合が少ないのが印象に残った。まさに大地に立つだが、大地だけでは寂しいのだ、人間は。どうしても空を求めてしまう、青空を。

Gのなんじゃとて 第22話から第24話 ネタバレあり

 ・第22話「地球圏再会」
 コックピットに座ったクン・スーンがメカニックと話している最中に、ローゼンタール・コバシがわざわざバーニアまで使ってVサインで「うふん」と横切るのが面白い。うざい。しかしついに始まるレコンギスタに浮き立っていることもわかるいい場面でもある。
 「キア隊長、これが長年夢に描いてきた光景ですよね」クンがロケットペンダントの写真を見ながら哀切に呟く。男女の関係だったことがわかる。その横でチッカラ・デュアルまでローゼンタール相手にはしゃいでみせるのだから悲劇の重さが違うことが描かれる。対比的ないい流れだ。
 「やらせろってきかないのよ」とマニィ。ノレドのあたまをよこからポンポンしている芝居がいい。ふたりの親密さも表していて微笑ましくも可愛い場面だ。
 ラ・グー総裁がかつらをとり服を脱ぎだしていくとき、カメラはアイーダを追う。彼女はじょじょにテーブルをまわりこんできて、彼の真正面に立つ。このときじょじょに緊張を高めていく芝居が好きだ。最後は威儀を正してみつめる。カメラはラ・グーの衝撃的な姿を映す。
 スカッシュをしているアイーダ。「わたしは人類の女性として健康!」と独白する場面も好きである。人類の女性、という言い回しがいい。神話的だ。
 「ダハックのカバーがダーマですか」「カバーなんて失礼な!あれだってモビルスーツみたいなものです」「失礼な!」と反射的に言ったところは力がこもっているが「あれだってモビルスーツみたいなものです」の声には確信がなさげなのは意図的な芝居なのだろうか。
 「やつは最前線、こちらは後方だもんな」温度差を知っているハッパである。しかしその物言いはベルリを一人前として認めているそれでもあって時の流れを感じさせてくれるいい場面だ。
 「いまは泣きたいんです」とアイーダ。「えー?」となるノレドは、なにか思い当たったのか、ハロビーの体重計機能をつかう。この流れが可笑しい。「聞キタクナイダロ聞クナ」とハロビー・ノベル。ここも笑える。「昨日カラ0.5g増!増!」「ひー」この流れも可笑しい。
 寝袋で熟睡しているリンゴ・ロン・ジャマノッタ。そこにトイレに向かう同僚が足をかるく引っ掛ける。寝ぼけて半身をおこす。「なんですか……ラライヤさんたら痛いなー」と夢のなかまでラライヤのリンゴ。一途な男である。
 「自分の庭に帰ってきてもこれだってんだからな」とドニエル・トス艦長。その画面奥でステアが屈伸?運動。ステアの謎の運動も二度目を見せられると彼女にはそういう習慣があるとわかる。こういう描写が好きだ。
 「G-ルシファーのノレド・ナグは里帰りの気分!」のノレドがかわいい。声優さんの演技がいい。「私だってキャピタル・タワーには縁がありますし」とラライヤも嬉しそうだ。「ラライヤGO!」とノレド。
 「ベルリ、バックパックの使い方には気をつけてくれよ」とハッパ。「いい完熟飛行になります!」とベルリ。ここのやりとりもいい。新装備で神経質になっていた場面と対比的ないい場面である。
 一撃で敵MS部隊を撃破したモビルスーツ部隊は機嫌がいいがベルリは憂鬱だ。「出力は100%じゃなかったはずだけど……あれがフォトン・トルピードの威力だってのか!」その破壊力の凄まじさに苛立ちを隠せない。ここの芝居もベルリの性格をよくでている。
 「母に……ウィルミット長官に会いに来たんです」「ああ」のやりとりも面白い。「ああ」というときの軽んじた感じがいい。タワーの完全軍事化を見せられた後だけにそのニュアンスは意味深長だ。
 「私がいるかぎりはタブー破りはさせませんからね」と言われハッと母から身を離す芝居もいい。タブー破りがどうのという単純な世界ではないことをベルリはすでに知ってしまっているのだ。母の腕のなかにはいられない。
 ウィルミットはベルリが「姉さんは僕の仲間なんですよ」と言ったとき一瞬だけ「姉さんって……」と反応する。しかしそれ以上ベルリに関心を寄せることはなかった。だから「いきましょう」と退室するときアイーダがベルリの肩を抱いているのは素敵な場面だ。
 「みちゃいられんな。マスクにサラマンドラを沈めさせてフルムーンに向かわせりゃいいのに」と内心独白するクンパ。内心を明かさなかった今までの描写からは考えらない場面だ。しかしこれによりマスクがクンパの配下から抜け出てたこと、「事態は私の思惑などとっくに乗りこられえています」というクンパの台詞が本当だったことがわかる。マスクを配下にしていたらマスクの活躍もクンパの策謀のひとつという可能性を視聴者に残してしまうからだ。ここは“キャラクターより「親切」を選んだ”わけだろう。視聴者にすればクンパがラスボスから脱落した瞬間である。
 「プライドにはなるからいい母さんだよ」と言うベルリはしかしどこか淋しげだ。ここの微妙な芝居もいい。
 「だけどこいつがビーナス・グロゥブ製って信じます?」「こっちがトワサンガ製というのも怪しいですよ」「なんでだよ」とリンゴ。「目、丸いじゃないですか」「そっちこそ宇宙で羽つきって恥ずかしくないのか」とケルベス・ヨー。このやりとりが可笑しい。
 ベルリが母親に会ったと聞かされれば羨望を禁じえないマニィだから「私だって負けない」と言ってルインに逢おうとする。モビルアーマーの操縦に不慣れなところをみせて皆の目を誤魔化せば「このまま真っ直ぐ、誰のせいにもしない。私、マスク大尉に絶対追いつく」と決行する。その際、舌で唇をなめるのが印象的な芝居だ。幼さを感じさせる顔で。
 「あれで宇宙海賊やってたのか」といぶかられるアイーダ。険がとれて、ほのぼのした雰囲気の集団を率いるお姉さん然としているからだろうか。女王の道は近いといった芝居なのかもしれない場面だ。
 「あれだ」マスクが乗っているはずの戦艦ガランデンを発見し「ルイン! ルイン・リー!」と思わず声を上げるマニィ。本名呼びだ。しかしバララ部隊に防戦されると「マスクー!光信号を読んでください!」と叫ぶことになる。この呼名の違いの妙がいい。だから艦砲射撃の危険のなかで思い浮かぶ名は「ル・イ・ン・リ」以外ありえないのだ。
 「圧倒的な味方になります! 受け入れます!」と熱くなるマスクに「どうしたんだ?」と艦長は驚くし勝手に部隊を下げられれば呆れもする。ここの芝居もいい。
 ヘルメットをなげてくるバララ。それをうけとめるマスク。「マニィの話信じます?」「信じるさ」ヘルメットをとりあげるバララ。そのまま着替え部屋に立ち去る。かがんだ後ろ姿を映すのがいい。
 「よくぞ無事に帰ってきてくれた」と手を広げるマスク。「はい先輩」とそこにとびこむマニィ。「ルイン・リー!」「マニィ・アンバサダ!」低重力環境で抱き合うふたり。窓ごしの別室で伸びをしているバララを一瞬映すのがいい。何事もなかった様子には掴んだプライドも掴んだサクセスもあるはずなのだから。

 ・第23話「ニュータイプの音」
 戦艦サラマンドラではクリム・ニックとミック・ジャックが艦長をはさんで話し合っている。艦長は航海日誌が趣味の彼だ。マスクがフルムーン・シップと手を組むのを防ぎたい、「このクノッソスの女(ドレット軍)も同じ」とミックが示せばそこにはマッシュナー・ヒュームの姿が映る。それはいいのだが一瞬そこに彼女の水着姿が。ここで視聴者は「ん?」となる。目の錯覚かな。ここのやりとりは視聴者への解説にもなっている。「親切」だがそれでもわかりづらい。勢力が多すぎるのだ。クリムのアメリア軍、マスクのキャピタル・アーミィ、トワサンガのドレット軍、ビーナス・グロゥブのフルムーン・シップと四つも勢力がある。これに独立した主人公勢力メガファウナとクレッセント・シップを入れれば五つだ。「艦長、なんでその写真は消えないんだ」とクリムが言えば画面にはマッシュナーの水着姿が乱舞する。バツが悪そうに呻く艦長。まーたやらかしているよこのひと、という流れが可笑しい。芝居だけみてれば楽しいというのはそういうことでもある。
 戦艦ラトルパイソンでベルリに背中にクリームを塗ってもらっている半裸のグシオン・スルガン総監。その姿に驚く兵士。意外だったらしい。それだけで“異例”さが伝わるちょっとしたいい芝居だ。異例的にリラックスしているスルガンと同様にアイーダ、ノレド、ラライヤもそれぞれリラックスした雰囲気だ。「えい」とスプレーをノレドにかけるラライヤ。「なにをお」と反撃するノレド。このあたりのキャッキャした芝居がかわいい。
 「弟!弟だと」と驚くスルガンに「そういう事実があったことはご存知だったのでしょう」とアイーダが言えば一瞬ベルリは思案気な顔をするというのは印象的な場面だ。だから「なぜ姉弟と信じているのだ、アイーダは」というスルガンの独白が意味深長に聞こえてくる。G-セルフはレイハントンではないラライヤでも操縦できるし、アイーダは“実家”のことはベルリとは対照的にすっかり忘れていた等、謎の余韻もある。視聴者が「ええ?」となる流れだ。
 「メガファウナで私達なりに協力させてください」と言って立ち去るアイーダの手をもって先導するノレド 低重力環境で宙に浮く脚に抱きつくラライヤ、というのも結束の強さをあらわすとともに微笑ましくも可愛い場面である。
 戦艦クノッソスではマッシュナーがパイロットらしい者をハグしている。「では!」「うん」ひとりひとりハグしていたようだ。最後は恋人ロックパイ・ゲティ。かかとをあげて背伸びしてハグするロックパイの仕草は彼のキャラクターを表しているいい芝居だ。マスクにはフルムーン・シップに接触させない、と張り切るロックパイに「からだは本当に大事にしてくれ」と言って送り出すマッシュナー。「精鋭を集めましたから!」とグッっと腕をあげるロックパイの仕草もかわいい。艦隊におけるマッシュナーの特殊な立場が出ている場面でもある。
 「ここはロックパイに任せればいい」と言うマッシュナーに「いーつもロックパイですか」とうんざりする艦長。以前そのせいでヒドい目にあっているのだ。「軍法会議ものだ」と憤ったこともある。しかしマッシュナーはこうして変わらすに前線に出ているのだから「将軍に告げ口してもいいですよ」と言われても無駄と知ってさらに憤懣がたまるというものだ。「気持ちよかったんだから」と色っぽく言われても「あーけっこうなこって」と投げやりになるしかない。ここの芝居もいい。
 メガファウナからはビーナス・グロゥブからついてきたMSポリジット部隊が出撃する。一機はよろめき一機は「G-セルフが待ってる!」と嬉しげにライフルで指し示す。「冗談でも味方にライフルを向けるんじゃない」と叱る隊長?機。このやりとりだけで彼らが素人同然であることがわかるいい芝居だ。「あの人達、戦争が怖いってわかってないよな」とベルリが懸念する流れにもなる。
 「寝坊しましたもんね」とミック。ハッとなる艦長。「少々だ」とクリム。ムカーとなる艦長。「出ますよ!」「ああ!」とふたり。真っ赤に赤面しぐぬぬと憤りを隠せない艦長。前景で芝居する艦長が可笑しい。
 艦砲射撃を真正面から受けとめるMSガイトラッシュ。「誰に射ってんだよぉ!」と勝ち誇るロックパイ。ここの芝居が気持ちいい。
 「やめろ!ロックパイのいるところに射つんじゃない!ビームは狙い射て!」拳を握りしめるマッシュナー。「そーこまでかわいいか。ビームを狙って射つんだとよ」と艦長。この投げやり感、やる気の無さの演技がいい。
 ベルリG-セルフは戦場をもう少し近くで観たいとひとり前進する。「無茶はだめだ」と念を押すノレド。「あたりまえだろ」と笑うベルリ。その表情がカッコよく描かれているのがいい。
 「なにが不服なんだ」とクリム。「いいや別に」と艦長。ここの艦長の仕草とこわねがいい。ここの芝居で艦長が日頃の反感もあるのかクリムが言い訳がましく見栄をはっていると思っていることがうかがえるからだ。
 そのあとに「後ろではクノッソスとアーミィのブルジンが戦争やってんですよ」と言うミックに対して「敵同士の潰し合いなど好きにやらせておけ」と冷静に言ってみせるクリムなのだから戦線離脱のロジックが言い訳でも見栄でもないことがわかるという流れだ。
 ロックパイが「マッシュナー! 艦長まかせにしちゃだめです!」と独白した直後に被弾するクノッソス。マッシュナーが「回避運動遅いでしょ!」と責めると「貴様がさっさと撃ち落とさないからだ!」と責任逃れの艦長。小物感の芝居がうまい。いい味を出している。
 ふらふらと戦場に惹き寄せられる一機のMSポリジット。「あの光に惹きこまれちゃって」とパイロット。「ええ?惹きこまれないよ」とノレドは驚くが「怯えていればそういう心理にもなる」とベルリ。内奥を覗きこむようなこわねがいい。
 撃墜されたMSの爆炎に「ああ!光が!」と言ってMSポリジットはついに戦場に突入してしまう。「行かないで!」と追おうとするラライヤ、ノレドのG-ルシファーをベルリは引き止める。「戦争は無駄死を生むから!ノレドとラライヤはそこから動くな!」一瞬みせる苦悶の顔。この流れのなかのベルリがカッコいい。そこから動くな!ってところがとくに。
 「僕はG-セルフの義務を果たす!」ノブリス・オブリージュを感じさせる台詞がヒロイックな高揚感を呼ぶ。しっかりロボットアニメしているいい場面だ。
 ロックパイMSガイトラッシュは圧倒的な戦力差のあるMSポリジットをあっさり屠る。「ビーナス・グロゥブからきた人を!」激昂したベルリがG-セルフを駆る。ロックパイにつき従う“精鋭”MS三機をあっという間に撃墜する。ベルリG-セルフの全能感がたまらない場面だ。
 「その姿、G-セルフか」認識するロックパイ。MSガイトラッシュの性能でG-セルフを圧倒するつもりが逆に圧倒されてしまう。「な、なにぃ」「アサルトモード、使います!」と告げるベルリ。使います!と言ったときぎゅっと目をつむる。こういう芝居がいい。
 ロックパイは「マッシュナー!」と叫びながら散華する。そのとき宇宙にはしるものがあった。マッシュナーは最愛の人が死んだことを直感する。「ああ、わたしの男が」低重力環境で宙に浮き、脱力したようにふらふらと漂うところがいい。
 ベルリは一瞬嘔吐しそうになり「な、なんだ、こ、この寒気は」と震える。この一瞬嘔吐しそうになる芝居がいい。
 「だんまっくうっすいでしょぉぉ(弾幕薄いでしょう)」に噴く。クノッソス艦長の小物感は本当にいい芝居だ。死の危険が迫るなかでテンパる艦長と哀しみに涙しながらも冷静に戦況判断をするマッシュナーとの対比がいきてくる。
 理由のわからない寒気に震えるベルリだからラライヤやノレドに心配されてもうまく答えられない。両親が遺してくれたG-セルフに包まれているということだけはわかるから「G-セルフのベルリだって戦死することはありますから」と言われれば「G-セルフでだぞ!パーフェクトパックだってあるんだろ!」と動揺もする。「名前なんて希望でしょ。名づけた人の保証じゃないよ」と優しくさとされれば「そ、それはそうだけど」と答えざるをえない。この一連の流れがいい。ロボットアニメの高揚感、全能感からじょじょに正気に戻される。ガンダムしてる芝居だ。
 「褒めてやるよ、飛び級生!」「ありがとうごいやす」と言う応酬も素敵だ。「ありがとうごいやす」というのは変な言いまわしだがそれがケルベス・ヨーの心遣いへの礼なのだから違和感も感動にかえてもいいと思える。
 「キア隊長のアイディアなんですよ。尊敬しちゃうわ。ね?」に返す「そうなんだ」の棒読みに噴く。
 「ベルリ生徒が頑張ってくれたからですよ、お姉さん」と言うケルベスはまだベルリに心遣いをしてくれていて、それが彼のキャラクターを表しているいい芝居である。
 「シールドを失うほどの戦いだったんですね」と心配げなアイーダ。ベルリの変調をどこか探るような気配があるのだから「でも生きのびられました」とベルリが本調子を取り戻せていたことはよいことである。そう感じさせる流れがいい。

 ・第24話「宇宙のカレイドスコープ」
 マスクとジット団の主要メンバーが揃っている面前でマニィ・アンバサダを褒めてみせるバララ・ペオールなのだから握手を求めるのは自然なことである。「光栄です」とマニィが手を差し出せば彼女の懐まで入り込み耳元で囁くこともできる。「あたしはいっぱいいい思いをさせてもらったから大事にすんだよ」「え」「では」きょとんとしているマニィが取り残される。ここのやりとりは面白い。敵愾心を隠しているバララだが純朴すぎる相手にはこれぐらい言ってみたくもなる。ふたりの女の対照がいい。
 きょとんとしているマニィであればルイン・リーへのお願いも秘めやかな香りはしない。「ベルリと友達になってください」と言えるのはメガファウナに残してきた友人達のことも念頭にあったからだろうし二人の人となりを知っていると確信できるからだろう。「それはだめだ」と即答するルインはベルリがエリートであることが気に食わないのだから偏執の根は深い。「それは誤解です」と言ってしまえる純朴さはマニィのものだからベルリとアイーダの姉弟がレイハントン家の遺児だと無邪気に教えることにもなるのだ。「それが本当ならますます権力者になる血筋じゃないか!人に喰われる過去をもつクンタラなど虫けら以下に扱う奴らなんだよ!」と吐き捨てるルインなのだから彼もまた純粋といえる。ここのやりとりも面白い。ふたりはある意味似ているのだ。
 マスク搭乗のMSカバカーリーがバララ搭乗のMAユグドラシルに接触しようとするとひょいとよけられてしまう。そのたびにカバカーリーはズッコケる。これが五回つづく。バララがマニィを挑発したあとだけに面白さに味わいが出る。結局バララはマスクに五回も「バララ」と連呼させることに成功した。それで気が晴れるわけでもないから「ふざけたんじゃありません。機動テストです。こんなに速く動くなんて思わなかったでしょ?」とぬけぬけと言ってみせる。だからマスクは「たしかにいまの動きは形からでは想像できないな」と優しく言うぐらいしかできない。まだイチャつける余韻があるのだ。だからこそ可笑しな場面であってもバララの愛らしさが際立つ。
 「ビーナス・グロゥブの一%もみていません」とラライヤ・アクパールの生真面目な声。「ビーナス・グロゥブのラ・グーという方は?」と法皇の穏やかな声。「とても面白いファッションで、いっつもごめんごめんって、ね?」とノレド・ナグのいつもの声。以前と同じくまったく物怖じしない子である。「ね?」とふりかえられれば「謙虚な方でした」とラライヤも破顔する。ここのやりとりはかわいい。法皇と二人の少女の口調の差もいい。
 「母は第二ナットで待っています」とベルリが言えば「父は停戦協定の返事が遅いので出かけました」とアイーダが言うのだから実の両親のことを知っていたと法皇に言われれば驚きもする。「ご存知でしたか」と尋ねるアイーダに「いやザンクト・ポルトでお噂をきいていたということです」と答える法皇。このとき手すりにつかまっているラライヤが可愛い。ノレドが室外に目線を送る。それをベルリがみてふりむく。「姉さん」と呼びかける。いち早く退室するノレド。ベルリは法皇に挨拶した後アイーダに目線を送る。「わたくし、育てられた運命があると思っています。では」と挨拶をして退室するアイーダ。うんと挨拶を返す法皇。「運命」にか「では」にかあるいは両方にか判然としない。この場面も好きだ。室外になにがあったのか気になるし法皇の返事の意味も気になる。
 新型MAダーマや新型MSトリニティを受領されたクリム・ニックとミック・ジャックは決して暇なわけではないのだがそこにアイーダがやってくれば挨拶のひとつもやってみせるしかない。メガファウナはアイーダが父スルガン総督にその独立性を担保してもらっていたものだからアメリア軍の戦力たりえなかった昨日なので緊張がないわけでもない間柄といえる。だから開口一番「クリム、感謝します」と言えるアイーダは「昨日のサラマンドラの動きがあったから」と賛辞も忘れないわけで「姫さま」と言われ担がれてばかりいる神輿ではないことがわかる場面だ。手を合わせてそれを横にかしげる仕草が可憐なアイーダなのに、その間ずっと上方を見上げ感嘆の表情のベルリは真に愚弟といえる無邪気さだから「ご無沙汰です」と軽い調子の一言だけの挨拶は姉とは対照的にもほどがあるだろう。見上げていたMAダーマ、MSトリニティを指さして「すごいっすね、これ!」とやんちゃな仕草が可愛いベルリと上品な立ち姿で一緒に見上げるアイーダであればしっかり者の姉とその愚弟にしかみえない。「こういうものを持ってきてくれなかったら一生恨みましたよ」と軽口をたたくミックにも「ミック・ジャック、クリム・ニックにも私のわがままで迷惑をかけました」と深々と頭をさげるアイーダにはむしろ二人も恐縮するしわだかりも氷解せざるをえないのだから愚弟のベルリも「姉さん、すごいな」と内心独白することになる。姉弟の対照ぶりが微笑ましいしアイーダが確実に指導者として成長してきていることがわかるいい場面だ。姉のそばでは優等生を演じないでいられるベルリの無邪気さも印象に残る。
 「ロックパイの仇を討たせてもらってからなら戦争はやめましょうよ」「またそれか」というやりとりにはマッシュナー・ヒュームの美貌ごときでは重要案件の判断に影響させないノウトゥ・ドレットは愚かではないとわかる場面だ。「またそれか」とうんざりする芝居がいい。
 停戦協定を結ぼうとするスルガン総督のもとに駆けつけるクリム・ニックとミック・ジャックは入室するとき敬礼のひとつもなく部屋中央のテーブルの上を低重力環境のなか浮かびながら流れてくるのだから無礼でもあるし知らず傲岸でもある。勝てる戦争なのになぜ停戦協定なのかと問いつめるクリムであっても停戦協定の後のことまで考えているらしいスルガン総督の前に立てば「その後のことは、自分の頭で考えるんだな、少年」と言われてしまう。その台詞前の手で制止する芝居がいい。モビルスーツ戦や艦隊戦で活躍する天才クリムをみてきただけにこのスルガン総督とのやりとりは印象的だ。政治もやってみせる大人であればクリムといえども戦場ではしゃぐ子供にみえるという「お?」とくるいい場面である。
 キャピタル・アーミィの艦隊が出撃したことに驚くドニエル・トス艦長。その画面手前でメイク中のステラがいる。こういう細かい芝居が好きだ。
 「なんでお母さんが止めてくれなかったの」とノレド。その前席で饅頭を美味しそう食べているラライヤがかわいい。
 「クラウンの時刻表のことしか頭になけりゃ」と言うベルリもまたパーフェクトパックのマニュアルを手にしてコックピットに座っているのだから皮肉である。自分の職務に熱心なのは悪いことでもないしひとごとのように言ってしまえるベルリは子供だが母の擁護でもあるのだから本来的にいい子なのだ。皮肉な対比とともにキャラクター表現までしているいい場面だ。
 「長距離からの狙撃なんてパイロットを殺すだけですから」とアサルトの使用を断るベルリだからアイーダは彼のこだわりの深さを知る。いままでの活躍とそのなかに隠されてた純情なこだわりには感謝の言葉だけでは足りなくて「カーヒル大尉のことはもうあなたは忘れていいわ」とはっきり告げる。姉のそんな気遣いに頭をさげるベルリだがまだ生徒呼ばわりをしてくれるケルベス・ヨーはじめ皆が気を遣ってくれるのならガイトラッシュ戦の後の様子のおかしさに心配してくれていたこともわかる。「ようするにみんなを守って欲しんだよ、G-セルフの力で!」とまで言われればこだわりを捨てる覚悟もできる。メガファウナのパイロットたちの絆が素敵に描かれていて好きな場面である。
 「ブリッジのモニターで敵の艦隊チェック!」と元気よく宇宙遊泳するベルリにはラライヤとノレドも追ってきてくれる。そんな姿をみて「元気になってくれた」と胸を撫でおろすアイーダだからベルリと微笑をかわせることもできる。この流れは心が温かくなる。
 「キャピタル・アーミィめ!面白がって!」ここのドニエル艦長のキャの発音が好きである。いい芝居だ。
 「あの小娘を殴りとばしてマスクに嫌われるのも嫌だが、なにもできない女だと思われるのはもっと嫌だ!ユグドラシル、あたしの運勢を占え!」と内心独白するバララは本当に可愛い。いい女であるプライドもすぐれた戦士であるプライドも彼女は決して手放さない。男への未練を残しながら戦場に立つ危うさに気づかない無防備さがまた可愛い。悲劇の匂いしかしないがバララが魅力的なだけにもどかしい思いもする好きな場面だ。
 「ドレットとアメリアの艦隊が勢ぞろいなんてさ、お馬鹿さん!」と狂喜するバララは戦場にいる両艦隊を殲滅する勢いで攻撃する。それに賛辞を送るジット団とは対照的に、鬼気迫るその様子に「バララ、戦場に嫉妬をもちこむと死ぬぞ」と内心心配するマスクもまたバララへの情を残している。だからこそ悲劇へと収斂する流れは切ない。
 「フルムーンと言いますけど、これってただの輸送船なんですよ」とフラミニア・カッレ。レコンギスタの正当性を露ほども疑っていない。フルムーン・シップの化け物モビルアーマーが凄惨な殲滅戦をやっている最中の場面に挿入されるのだから、その穏和さは異様に引き立つ。皮肉めいてもいるし人のままならさが表れてもいる印象に残る場面だ。
 「アサルトを乱れビームの震源地に射ちこみます! それまでは前に出ない!」とベルリ。覚悟はできたようだ。それに呼応するアイーダ、ケルベス、ラライヤ、ノレド、リンゴ、その他のパイロットたち。「了解」「よく狙え」「そうです」「あたしがついてる!」「ビンゴだろ」「おお!」パイロットたちの絆を描写した場面を受けての流れなだけにエキサイティングだ。結束する人間たちの息づかいが聴こえてきそうないい場面である。
 「ここは逃げろってロックパイが言ってきたんです」とマッシュナー。「こんなときにも」と艦長。ここのやりとりも印象的だ。マッシュナーの台詞はレトリックにすぎないのか本当にニュータイプ的感応があったのか少しづつ狂気に蝕まれている描写なのかわからないからだ。こういう判然としないところが好きだ。
 遠距離から狙撃され動揺するバララ。「やつが来てるんだ」という台詞がいい。ロボットアニメ、はじまるよーと告知したような場面である。
 「フルドレスって、眩しいんだから!」のアイーダの台詞。ねらった台詞かもしれないと思いつつそれでも楽しがってしまうのだから富野ファンは度しがたいといえる。
 殲滅される危機のなかノウトゥ・ドレット将軍はひとりでも多くの者はキャピタル・タワーに逃げ込めと命ずる。敵前逃亡ではないかと問われれば、それでもいい、地球にさえ降りれば化ける、と言う。化けるとは何事かと問われれば、地球にさえ降りれば願いは化ける、と言う。ここは切ない流れだ。彼の地球への憧憬がよく表れている。彼の最期の台詞は「キャピタル……」と言いかけてのものだった。スコードではないのである。いままで敵役としてしか登場できなかったトワサンガ勢力だが、たったこれだけの描写で生きた人間たちの集団にみえてくるのだからいい場面と言いきっていいのだ。
 MAユグドラシルのコックピットをビームサーベルで灼くベルリG-セルフ。「ベルリか!」「バララ・ペオール!」顔見知りを殺害した。ベルリはしかし震えない。ここまでの流れのなかでこの場面をもってくるのがうまい。
 アイーダG-アルケインは戦艦ラトルパイソンに近づく。「お父様!宇宙服を着てください!」父は宇宙服を手に持っただけの準備前だとわかる。そのとき流れ弾が艦橋を貫く。宇宙に放り出される父スルガン。アイーダはあまりにもあっけない父の最期を受けとめきれない。一瞬目線を外しもう一度みる。ここで一瞬目線を外す芝居がいい。
 化け物モビルアーマーを持ちだしたマスクへの懸念を口にするも、前髪をかけあげるベルリなのだから戦場から離脱できたことをうかがわせる。そうしておいて水分補給をしようとする寸前でカットはかわる。作品内のベルリとは別に視聴者にだけ緊張感が残る。こうした流れが好きだ。

Gのなんじゃとて 第19話から第21話 ネタバレあり

第19話「ビーナス・グロゥブの一団」
 クレッセント・シップ艦内でマラソンをしているメガファウナのクルーたち。あまりのキツさに髪型が特徴的なアダム・スミスが音を上げる。「なんじゃとてー」。あんたも言うか。
 「まだ走れるぞー」とロルッカが強がるとドニエル艦長が「ロルッカさん、脚震えてますよ」と指摘。ほんとに震えているのが可笑しい。おじさん無理しちゃいけない。
 「おじさんはそっち!」とノレドがドニエルを別のシャワー室に追い出す。「えーこっちぃ?」という声優さんの演技がハマってる。全裸で廊下を移動するおじさん。物哀しい。
 ラライヤがトワサンガ時代に姉のように慕っていたフラミニア・カッレが、実はトワサンガ人ではなかった、ということは物凄く衝撃的だったはずなのだが、メガファウナのクルーたちは文句を言いつつもわりと平然と受け入れている。ここにも視聴者との乖離があり今作をわかりづらいものにしている原因があるだろう。
 「クンタラなんて大昔の話じゃないですか!」と怒るラライヤにノレドとアイーダが反応する。偏見から完全に自由な人間を初めてみたという演技なのだろうか。
 スカッシュをみてやりたくなったアイーダ。「明日はスカッシュをやりましょう」とベルリに告げる。「ベル~!スカッシュでっす!」と念を押される。返事を待たずに決定事項になったらしい。このあたりもすでにお姉さんしているようで微笑ましい。
 ベルリ、ノレド、ラライヤの三人で作業中、少し離れたところでアイーダとマニィが軽いアクシデントに巻き込まれる。危険性のないアクシデントでふたりとも無事だが、彼女たちは三人がこちらをみているのに気づく。「笑った」とアイーダ。「笑いましたね」とマニィ。
 そこからの「ノレドとラライヤさんとベルってああなんですか」と三人の仲良しぶりをマニィが尋ねれば「ラライヤさんは記憶を取り戻してからはベルとは気が合うようです」とアイーダが解説する。この流れがいい。
 その流れのなかで「ああ、マスク大尉、どの星がルインのいる星がわからないんだよ」と宇宙に手を伸ばして涙するマニィだから哀切が際立つ。
 G-セルフの整備を終えたハッパはこの機体は貴様たちを救いたいってシステムだと指摘してご先祖さまに感謝しろよと言って立ち去るが、ベルリは泣きだす。両親の遺志がそのように働くのなら、間違いなく自分とアイーダはその子供だということになる。恋するアイーダとは血縁関係にあることが現実味をおびてベルリを襲う。誰もいないデッキで「アイーダさんは姉さんで僕は弟かよ!」と独り叫ばざるをえない場面は、失恋のもどかしい痛みがよく出ていた。
 「メガファウナなんか、ヘルメスの薔薇の設計図のままに組み立てたみたいなものだから、本当の働きを知っている技術者なんていないよなぁ?」とドニエル艦長がのんきに言いだし「よくもまあ、それで宇宙にあがってきましたね」とベルリが呆れるという流れは面白い。その流れで一瞬バツの悪そうな表情になるアイーダがかわいい。
 クレッセント・シップ艦長エル・カインドは人類が永遠に存続するためには技術の独占と禁忌による発展の防止が必須だと言う。アイーダは技術の独占こそ悪だと糾弾するが、それはアメリア人の独善かもしれないと指摘される。アイーダのそのような考えは教育の結果で本人の感じたものではないとまで言われ戸惑いを隠せない。「刷りこまれたということ?」と自問するアイーダ。「オソワル・入力・オソワル」とハロビーの愛らしさが残酷な場面だ。
 「我々はクレッセント・シップで帰る」と言い切るジット団リーダー、キア・ムベッキは不敵でカッコイイ。だらしなくパイロットスーツの前を広げて胸を掻いているのがワイルドな印象をもたらす。
 「暗くなってる」「握ればいいんです」「そうか」とにぎにぎするラライヤとマニィがかわいい。
 「数字だけの理解は数字だけだもんな……何が可笑しいんです?」「みんな聞こえていますよ」自分の考えは教育の結果で刷りこみでしかないと落ちこんでいるアイーダに、ベルリが優しく声をかける。
 「私の父は間違ったことを教えたんですか」と問わずにはいられないアイーダだが、ベルリは「軍人さんとしては立派な方ですよ。僕の運行長官の母は無骨者ですけど。責任感の強い立派な母です」と答える。立場のある大人の限界があるとはいえ、それでも尊敬すべき人間であることにはかわりがない。得心がいったのか「うん」と素直にうなずくアイーダの顔には明るさがもどっている。
 デッキに着艦したMSアルケインから「そーれー!」と歓声を上げながら飛び出すノレド、ラライヤ、マニィの三人がかわいい。
 オーシャン・リングというからには海があるのか、と素朴な疑問をなげかけるアイーダ。エル・カインドはそのようなものを建造しそこに暮らすのは地球が大切な惑星だからだと答える。その地球で戦争が起きているとベルリが割って入る。それは経済が豊かになったからだろうとエル・カインドは言うが「そんな大人の理屈はいいんです!」とベルリが語りだす。
 「僕はそういう戦いをやめさせるためには、姉さんのようなひとには、ヘルメス財団の偉い人に会わせたいし、ビーナス・リングとかオーシャン・リングとかいったものをみてもらって、宇宙にある海の夢といったものを見つけ出してほしいんです!」ここは感動的な場面だ。ベルリがアイーダをはっきりと姉さんと初めて呼んだ場面であるし、彼女のために見識を広めさせたいという想いも素敵だ。
 その場面を受けて三人の少女が肩寄せ合ってベルリのことで胸をなでおろしている。「なんかよかったわね」ラライヤ。「ベルはアイーダさんを姉さんと受け入れられたんだ」マニィ。「つよい子だよね、耐久力のある」ノレド。ここの会話もいい。
 タフガイな雰囲気をもつキアが銃を構えながら、艦長に名刺を渡すところは噴く。
 名刺には「ジット・ラボラトリィの技術保全局長」と意外すぎる肩書も笑える。あのワイルドさは何なのよ。

 ・第20話「フレームのある宇宙」
 「注射を打たれたところの空気漏れは大丈夫ですね?」と心配するアイーダ。修理してもらいましたからと言えば「よかった」と返してくれるアイーダだから「姉さんが心配してくれるなんて」とベルリは感激してみせる。アイーダは一瞬心外そうな顔をつくるも「大事な戦力ですからね!」と頬をひっぱる。微笑ましいというレベルから少し逸脱ぎみの姉弟である。
 だからマニィが「なにイチャついてんだ?」といぶかるのもわかるし「無視! 無視する!」とノレドが不機嫌なのもわかる。そういう場面である。
 G-セルフ奪回にベルリはアルケインを使うことになる。「無茶をやりますけどアルケインの性能を出してくれますから」とアイーダ。「そうですよね。よかったな、お姉ちゃんに認められて」とケルベス・ヨーはベルリの頭をくしゃくしゃにする。すっかり兄貴分だ。いい感じ。
 そんなケルベスは「ラライヤさん、リンゴ少尉、集合!」と声をかける。リンゴは「なんです?ケルベス中尉」と近づくだけだがラライヤは「あ、やるんですね」と嬉しそうだ。そこにアイーダ。声が弾んでいる。「キャピタル・ガード伝統の!」「ウォークライ!」とベルリ。円陣を組むパイロットたち。メガファウナの混成チームもだいぶ練れてきたことがわかる場面だ。
 マニィもそれを感じて「覚悟がついたんだね」とノレドに言えば「そう、思うよ」と元気がない。
 「ネオドゥ(ラライヤ機)のメンテはちゃんとやったな?」とリンゴが念をおすとハッパが「ラライヤさんみたいにピカピカでしょ」と言うので「なんです?」とラライヤが顔を出すことになる。出撃前の日常シーンという感じがでていて好きだ。
 デッキで仕事をしているマニィは大忙しだ。「人使い荒いなぁ」と嘆息した視線の先にはノレドが何もしないで宙に浮いている。そこに「ノレドー」とベルリ。「どうした?」脚をもって引き寄せる。「具合悪いのか」「またモビルスーツ戦をやるんだろ」とノレド。「こんなところでやるつもりはないよ。ノレドは安全な場所に隠れているんだ。いいな!」「うん。わたしは……隠れる」何かをこらえるような微笑で。
 「艦長にかぶせてある爆弾とその席はこのカメラで監視している。迂闊に動いたら人間爆弾になってこのブリッジごと吹き飛ぶ!」 
 クレッセント・シップ艦長にかぶせてある爆弾は頭部に瘤が突き出ているような形状で間が抜けていている。顎下の南京錠もいい。可笑しい。
 「わたしは独りで地球に降りた経験があります」と引き止めるリンゴにラライヤは言い放つ。カッコイイ。
 「出てくださいって!」と言いながらG-セルフを上下にゆする場面は可笑しい。
 マニィとノレド。「ノレド、手伝って」「なに?」「ベルリの仕事の後始末」「え?」「人を突き飛ばしたはずなのよ」「そうか。レッセルさん、モニターの拡大ってどうやるの?」ノレドは元気を取り戻したようだ。
 「我らがジット団はレコンギスタを目的に決起した。以後邪魔をするものはテン・ポリスといえでも容赦はしない」MAジロッドに搭乗したクン・スーンが宣言する。「レコンギスタ」がついにはじまる。
 「邪魔するなって宣言しただろう!」チッカラ・デュアルのMSジャスティマがテン・ポリスのMSポリジットを斬り倒す。カッコイイ。
 「なに遊んでいるんです」とラライヤのつっこみ。ベルリはG-セルフのコックピット前でワイヤーにつかまって宙を舞っていたのだ。
 「誰に謝っているんです」とラライヤのつっこみ。ベルリはG-セルフのコックピットにすわると「知らない人にいじらせてごめんなさい」と謝っていたのだ。
 「なんで泣いているんだ」とキア・ムベッキ。「泣いちゃいません」とクン・スーン。「だったらさっさとビッグアームを持って来い」「はい」明らかに涙声での応答。このやりとりも好きだ。
 マニィは出撃前のアイーダに水の玉を渡したあとピンクの玉を渡す。「これも」「なんです?」「金平糖。ノレドが“甘いもの要りますよ”って」「じゃラライヤにもね」
 ステアが「Yes,Madam」と言うのが新鮮だ。「Yes,Ma'am」ではないのだ。どういう背景があるのか気になる。
 「ルアン、間違ってもバッテリーには傷つけないで」とアイーダ。「姫さまも傷つけさせません」とルアン。カッコイイ。
 ラライヤが出撃するとなると大変なことがおこる。ラライヤ機に二機のMSが両側からベッタリと寄り添うからである。「ケルベスさんもリンゴさんももっと離れてください。これだとみんなが一緒にやられてしまうでしょ」「それでいいじゃないですか(キリッ)」とケルベス・ヨー。「ラライヤの盾になるんですよ(キリッ)」とリンゴ・ロン・ジャマノッタ。「それで軍人ですか!」と両機を振り落とすラライヤ機。「うわわああ」と男たちの悲鳴。笑った。
 「逃げろ!アイーダ!」と思わず口にするベルリ。高出力対艦ビーム・ライフルすら通用しないビーム・バリアをもつ強敵ジャスティマがアルケインに迫ったときに出た台詞だ。
 「こんな人達のおかげで!姉さんの邪魔などさせるか!」その後こういう台詞もあるのだからベルリのとっさのアイーダ呼びは印象に残る。
 
 ・第21話「海の重さ」
 「海の底に穴をあけたか……俺は地球人のおかげでとんでもないことをしちまった」キア・ムベッキはことの深刻さに慄えるが、地球人のせいにしているあたり、他罰的傾向はかわらず、といったところか。だから兵器でハシャいではいけないということが出ている場面だ。
 「ジット団のモビルスーツを海上で追いかけているんです!」ふりかえり「追いかけられてもいますけど!」という流れが可笑しい。
 メガファウナのクルーたちが言う「ロールパン」とはジット団のMAジロッドのことだったらしい。しかし予備知識なしでわかれというのは無茶な話じゃないだろうか。ホワイトベースは木馬にみえるしシャアも連呼するし主要メカだが、ロールパン=ジロッドはわかりづらいにもほどがある。作品内ロジックとしてはワカルのだが、このあたりの変なこだわりが本作を「わかりづらい」ものにしてしまった原因のひとつだろう。「敵のモビルアーマー」とかでもいいじゃない。
 ミラジに肩を叩かれ「きゃあ」と悲鳴をあげるギゼラ。あの戦闘中でものんびりマイペースだった女がである。何事かと驚く視聴者だがそのあとの展開ににやにやすることになる。ミラジに話かけられみるみるうちに赤面していくギゼラ。ミラジの横顔をちらっとみつめずにはいられない。立ち去るミラジ。ギゼラは頬に手を当ててうっとりしている。という流れ。わっかりやすい。珍しく定型的な芝居だった。
 クレッセント・シップ艦長エル・カインドの頭部に仕掛けらた爆弾をみても「見たことあるんですよこれ」とフラミニア・カッレは平然としている。「パーティーでみません? あ、水中花だ、水のなかのお花グッズ」フラミニアはさっそく“爆弾”に手をかける。悲鳴をあげる艦長。水があふれだしなかからぴょんとお花がでてくる。艦長が前回からずっとシリアスに悲壮な様子だっただけに可笑しい。
 ジット団と戦闘中のベルリがいるのだからメガファウナも臨戦態勢でかけつけることになる。そこにノレド「ジット団のひと、魚食べさせくれるっていってたけどダメかな」と魚に未練があるらしい。「なんだベルリより食い気か」とドニエル艦長がからかうから「ベルのために訊いてたんです!」とノレドは憤慨するしかない。ノレドがドニエルのひげをひっぱるのが可愛らしい。
 「ラライヤの股に手を突っ込んでなにをしようというんだ!」とリンゴ・ロン・ジャマノッタに言われるケルベス・ヨーだが、ラライヤ機の股から紐状のものを引っ張りだす。股から引っ張りだされたのはノレドとマニィだった。ついてきてしまったのだ。「あのなー、やりようってのがあるだろ」とケルベスはふたりがつかまったロープをぐるぐるまわす。このぐるぐるという芝居をつけたすのがよい。
 G-セルフが民家をみている。民家から「おかーさーん」と飛び出してくる中年男。おかあさんとは妻のころだろう、子供のいる夫婦だとわかる。G-セルフを目前にして悲鳴をあげてとびあがる。帽子まで驚いてとびあがる。マンガマンガしたコミカルな場面だ。ほっこりした。
 「いつまでもこんな民間人の家を盾にしていてはいけない」と言ってG-セルフを立ちがらせるベルリ。盾にしていたのかよっ、とつっこみを入れざるをえない場面だ。賢いが案外ひどい話である。
 「こんなものは!爆発させずに動かなくしてやる!」と言ってベルリG-セルフが強敵ジャスティマを格闘戦で圧倒する場面はカッコいい。苦戦してきた相手だけにスカッとする。
 「いまラボのなかをみたでしょ」ぐいと両手をあげるマニィもかわいいし「偵察するチャンスだってこと」なぜか猫を抱き上げてそのまま走りだすノレドもかわいい。猫はおいてけ、とつっこみを入れたくなる場面だ。
 ラライヤ機を救けたあとの「いつもラライヤの守護神であります!」とシャキーンと剣を構えるリンゴ・ロン・ジャマノッタがカッコいい
 ジット・ラボに入りこむノレドとマニィ。ノレドがヘルメットと後頭部の間に猫をはさんでいるのが可笑しい。
 「工具を武器にするな!」と言って一瞬でふたりの工具をパチンコで弾き飛ばすノレドがカッコいい。ほんとに実用性があったのね。
 「G-ルシファーだろ」と指摘する研究所の職員はノレドがつれていた猫を抱いている。こういう細部が好きだ。
 「十数万人のひとが死ぬんだぞ!」と言って穴を塞ぎにMAコンキュデベヌスで海の底に特攻していくキア。いやもともとは自分の所業じゃんと思うが、それでもヒロイックないい場面だ。
 「やめてください」とキアを思いとどませようとするクン・スーンは動揺していたのか空中のG-セルフを「地球人?」と視認して思わずミサイルで射ってしまう。「ダメでしょ」といって一発だけミサイルを斬り伏せるG-セルフ。もう一発のミサイルは天井に穴をあけ宇宙がのぞく。「私は敵に救けられた」と悔悟する。愛らしさがにじみでている女性だ。
 クンはキアを追って海の底に向かったが、結局MAジロッドの機体で穴を塞ぐかたちになる。二機が抱き合うように残骸をさらしている画がいい。心中した男女みたいな悲愴感がある。
 G-ルシファーの操縦に成功したマニィは「やったーマスク~」と思わずマスクの名前を呼んでいる。健気さにホロリとくる。「あのマスクに教わったの?」「まさか」と言って顔をみせず髪をかきあげる芝居もいい。
 命の恩人?のフラミニアのいくえを訊かれて、クレッセント・シップの副艦長が「逃げたのでしょうね」と言うとき口に手をあてる芝居もいい。
 ラ・グー付きの女官?が転ぶ。起き上がろとすると頭をぶつける。「大事ないか」「いつものことで」ドジっ娘である。素晴らしい。ここも珍しく定型的な芝居だ。
 ラ・グーとの会食の場面。食事をとらず話に集中する組と食事組に分かれている。ここもいい。艦長とアイーダはもちろん、ロルッカとミラジの元家臣、クレッセント・シップ艦長エル・カインドも食べていない。そのなかにミラジの隣席にいるギゼラも食べていないが彼女の場合理由は別にあるのかもしれない。食事組ではよくみるとベルリとノレドとラライヤの三人だけお箸で食べている。こういう細かい描写が好きだ。

Gのなんじゃとて 第16話から第18話 ネタバレあり

 ・第16話「ベルリの戦争」
  ベルリがレイハントン家の王子だと言われ「なんだとてー」と驚くノレド。彼女の口癖だったのかな。
 「なんかの冗談……じゃないみたい」とベルリ。「え」と意外そうなアイーダ。
 「もう少し静かにおやり! 近所迷惑なんだから」と言うフラミニア・カッレ。お屋敷があり敷地が畑になっていてもご近所が近くにあるんですかね。スペースコロニーを表現している?
 「こちらが子供部屋になります」「憶えています」とベルリには記憶がある。「そう……ぜんぜん憶えていませんね」とアイーダ。
 窓から光が射しこみ「この空気は知らないとは言えない気持ちになれます」とアイーダが言う場面もいい。
 「なにかしら」と引出に惹き寄せられるアイーダ。そこにあったものは記憶にひっかかりながらも思い出せなかった写真だった。思わず涙するアイーダ。この一連の流れがいい。涙は自分で拭く。
 「時代は年寄りがつくるものではないのです」と言いきるアイーダはカッコいい。
 「あはは、やっぱり(笑)」「なにがおかしいのです」という場面もいい。欄干に行儀悪くすわったベルリもいいし彼が身を横にかしげる仕草もいい。テーブルの上には飲みものがひとつ、アイーダがひとりでいたところにベルリがきたことをうかがわせる。ブタの蚊取り線香入れも細部のリアリティとして素敵だ。そこに迎えがくる。「姫さま、よろしいですか」「ご心配をおかけして」アイーダがショックを受けていてベルリがそれほどでもなかったことがそこからうかがわせるのもうまい。
 トワサンガについて説明するクンパ。詳しい。詳しいがゆえに「入港許可をとりつけても入港が完了するまでは油断は禁物です」と助言するが「そりゃそうでしょう(当たり前だ)」と返される温度差も面白い。 
 「マスクはあの女には甘いか」とバララの鋭いチェックが入る。しかしあの男は自分のものであると笑う余裕もみせるバララだ。
 「なにすんだ! あたしのヘカテーに!」とMSヘカテーの頭部を蹴られて憤慨するミック・ジャック。地団駄を踏んでいる芝居がコミカルでいい。
 「なんでそんなこともわからんのか?」とロックパイ・ゲティに口づけするマッシュナー・ヒューム。子供扱いされてムッとするロックパイ。寝台のなかまで想像できてしまう場面である。
  地球に降りられたラライヤみたいなのは憎まれるから守らないといけないと言ってどさくさ紛れにリンゴ・ロン・ジャマノッタはラライヤを抱き寄せる。それをモニタ越しにみて「ことのついでに手を出しやがって」と憤るケルベス・ヨー。ほんとだよ!
 トワサンガ本国の守備隊ガヴァン・マグダラは率いるガヴァン隊のMSザックスでベルリG-セルフを取り囲むが撃破されてしまう。その圧倒的な強さに「あの姿、大昔、ガ、ガンダムとかいう……」と怯む場面は萌え……じゃねーよ俺のIME、燃える。
 「殺しはしない。けど今度ぼくらの邪魔をしたら容赦はしない!」と告げるベルリはもちろん独り言を呟いているだけなのだがコックピットのなかの彼は泣きそうでもある。殺意や敵意というより悲痛な表情でそれを言うのがいい味を出している。ベルリもまた平常というわけではなかったのだ。
 「なにがレイハントンだ」と独り吐き捨てるベルリがいい。往年の富野主人公っぽくて懐かしい。恋していたアイーダが実姉と知り、生まれ故郷が宇宙のトワサンガと知り、自分を王子と呼び利用しようとするレジスタンスの存在を知れば、さすがのベルリも屈託を知る。

 ・第17話「アイーダの決断」
 「ラライヤのからだにはかすり傷ひとつつけさせないよ」「ラライヤのからだがどうしたってー?」のやりとりも楽しい。
 アイーダからあとの指揮を任されるケルベス中尉なのだから「リンゴ少尉は中尉の言うことを聞くんですよ」とラライヤに念を押されるのは正しいが「いやーやつが言うことをきけば」と言葉を濁すと「リンゴがきくんです」と駄目だしされてしまう。ここの駄目だしがチャーミングだった。
 「マスクが後見人として出るようだな」「お優しいことで。あやかりものですね」「誰のことを言っているんだ」の気安さがいい。
 「マスク大尉はバララ中尉を兵器として使っている? ……そこまでクールな大尉ではないはず」とマニィ。男女の機微を理解するのはこれからだろう。
 「G-セルフとメガファウナには触らせるな、あれはアメリアのものだ」「おうよ! 出るぞ!」「そのつもりです!」と勢いよく交差して飛び出していくのが気持ちいい。
 ベルリが元家臣ロルッカ・ビスケスとミラジ・バルバロスの態度から、キャピタル・ガード調査部クンパ・ルシータ大佐がトワサンガ人だと直感し、そのままアイーダたちと作戦行動にでる阿吽の呼吸に、「若いレンハントンの後継者……」とフラミニア・カッレが呟く流れも好きである。
 「ラライヤさんは不肖リンゴが守ります」と言ってMSモランの手でにぎにぎし、それにアイーダもにぎにぎと返す芝居もいい。
 各員に役割を与えた後ふと「自分の役割は」と自問するアイーダがいて、体調不良を訴え医師に診てもらうもラライヤが独り立ちして役割がなくなって落ち込んでいるのではと指摘されるノレドがいる、という流れもいい。
 「貴様たちにも!瓦礫掃除を!手伝っていだだく!うおおおお!」と突撃してくるトワサンガMS部隊の迫力に笑ってしまう。いやお掃除は戦争より大事です。
 戦争よりお掃除、ということで真っ先に反応するベルリ。トワサンガ部隊にも一瞬警戒されるがすぐに真意をよみとってもらえる。
 「しまった! 先を越された!」と焦るマスクも、「やるからには負けられん!」と張り切るクリムも、妙に可笑しい。敵味方関係なくがんばる姿に『逆シャア』のクライマックス・シーンを彷彿した。
 「けど私はおばかなばか姫にしかなれない」と自答するアイーダだが、彼女が日に日に指揮官らしくなってきているのは視聴者が知っているだけに、ここはもどかしい、思わず彼女を応援したくなるいい場面だ。
 クンパは再会したロルッカと言い争いになる。地球の軍事技術の急速な高度化を責めるロルッカだが、クンパはレンハントン家の遺児の扱いについて責めたて彼を黙らせる。G-セルフのおかげで私は恋人を失い弟は人殺しをしたとアイーダに責めらていたロルッカは、自身の計画にそうとは知らせずに加担させたクンパの詰問に耐えられない。「自分が捨てた赤児がどこにいたかも知らなかった、争いの火種を揉み消すための行動だったはず、それを旧世紀時代の憎しみ合いそのままに、だいたい専門家の考えることは一直線で……」と言いたてるクンパの迫力と饒舌さは印象に残る。

 ・第18話「三日月に乗れ」
 「ベルリ、疲れてるね」「そうでしょう」とラライヤとノレドに心配されるベルリ。視聴者にはこれといった疲労の描写がないだけに、ふたりの少女がベルリをよくみていることが伝わってくる場面だ。
 ロックパイ・ゲティがMSガイトラッシュでビームマントを試すのだが、それに巻き込まて一機の味方MSが突き飛ばされるのが可笑しい。ロックパイの視野狭窄ぶりと、彼がマッシュナー・ヒュームのお気に入りのために文句のひとつも言われない特殊な立場であることが表現されいているようだ。
 そんな彼だから「YGを壊すんじゃない、捕らえるんだ!」とマッシュナーに叱られることになる。手のかかる年下の恋人である。
 ロックパイは主戦派のガヴァン・マグダラ率いるガヴァン隊を制止する目的も与えられている。同じトワサンガ人がここで二派に分かれられては視聴者にはわかりづらいことこのうえない。話の流れとしてソウナルのはわかるが作品構造としてはどうなんだろうか。
 「なにしろビーナス・グロゥブまでの長距離航行をしようというのだからな」「料金、高いんだ?」「ヘルメス財団の会員になってなけりゃ乗れないの」という軽口の応酬がいい。これだけでだいぶ親しくなっていることがわかる。クレッセント・シップの説明にもなっている。
 ベルリが心配で休息をしろと言いにきたノレドとラライヤ。そこにヘルメットまで特徴的なアダム・スミスが「いつになったらG-セルフを前デッキに移動してくれんですかね」と苛ついたように声をかける。若者三人がサボっているようにみえたのかもしれない。この温度差がいい。
 前デッキの敵MSマックナイフから飛び出した宇宙服をみてノレドはそれがマニィだと直感する。視聴者にはそうとわからせる描写がないにもかかわらず直感するのだからノレドの感度があがっていることを示す場面だ。顔をみているのに場違いなマニィをなかなか認知できなかった前科があるだけに彼女の感度の良さにびっくりする。
 「周りをみたらラライヤがいたんだろ!」と言うリンゴ・ロン・ジャマノッタ。自機MSを敵MSに抑えられ「周囲をもっとみてろ」と女の声で嘲笑されたときの台詞だ。唯性論的な悪態である。けしからん。
 「バララ! 落ち着け」と言ってマスクがMSマックナイフの手でバララ搭乗MSビフロンの頭をポンとする場面は微笑ましい。
 「前をみるモニタですよね。あるはずです」とのんびり作業をするギゼラが面白い。戦闘中でテンパッてるドニエル・トス艦長や前がみえなくて焦る操舵士ステアと対比的だ。
 「あたしの大尉を蹴飛ばしたのは許せないって言ってるんだ!」「蹴飛ばされた男が悪いんだろ!」とミック・ジャックとバララ・ペオール。女同士の戦い。熱い。
 「ならず者ガヴァンは数の暴力!」「マッシュナーのオモチャが!」ロックパイとガヴァン。この戦いには品がない。大義もなく個人的動機もない。
 自分を救けるために禁じ手のミサイルを躊躇なく使うマスクにバララは感激して思わずあふれた涙を拭く。かわいい。
 「111は化けた!」とガヴァン。またもベルリG-セルフに敗退する。悲鳴に似た呟きがうまい。
 敵MSの一機が「クレッセント・シップに近づくのはやめてください。罰があたります!」と必死になっているのが印象的だ。
 「減速しましょう(泣)」「だーめ、ロックパイが命をかけているんだから救ける!」減速しようとする艦長の両頬を、マッシュナーが外した巨大イヤリングを両手に持ってぐりぐりするのが可笑しい。
 メガファウナがクレッセント・シップに衝突しようとしているのを知ったステアが「オー・マイ・スコード」と叫ぶのが面白い。やはり「ちくしょう」とかそういう意味なんだろうか。
 無事帰還したロックパイが「ぼく、一生懸命がんばったんですよ」と訴えると「そうだろう。わかってるよロック」とマッシュナー。親ばかとはいうが年下の恋人を甘やかすのは何ていうのか。
 「ここにG-セルフごと入ったんですか」という呆れ声のアイーダ。「メインエンジンルームなんですよ、位置を考えなさい」というあたりはしっかりお姉さんしていて微笑ましい。
 「父さんと母さんの仕掛けにのってなぞっただけさ」と笑うベルリ。「父と母の?」「こいつのおかげでね!」とG-セルフを示すベルリ。父だけでもなく母だけでもない、両親揃って子を導く主役機だから、主人公も男女ふたりいるのかもしれない。

Gのなんじゃとて 第13話から第15話 ネタバレあり

第13話「月から来た者」
 「迂闊な動きは月からの艦隊を刺激するだけになります」「わかっていますが仕掛けられたのです」のやりとりは興味深い。善玉にみえたグシオンが主戦派にみえ悪玉にみえたクンパが穏健派にみえる。クンパは表の顔を演じているだけなのか他に考えがあるのか判然としない。「ガランデン(マスク、クンパ)から地球人同士、共同戦線を張るべきだと言ってきたのだな」とグシオンが受けるとクンパの顔に表情が走る。その直後月からの艦隊に動きがあると舌打ちする。「青少年に期待するか」と意味ありげな言葉を残して立ち去る。このあたりの腹に一物ありそうな芝居がいい。
 マスクが「バララ隊には後方を守ってもらうことになる」と言ったとき、手を腰にあてて不満気にずいと身を乗り出すバララの仕草がかわいい。マスクとの身長差もたいへんよろしい。「話が違います」「トワサンガの艦隊をなめるな」「え、はい」「敵を敵にぶつけられるチャンスだ。運試しはやるべきときにやるのだ」「タフになりましたね」と微笑むバララは男を育てるタイプの女なのかもしれない。謀議に男女の密談の雰囲気を絡ませているのがうまい。
 ノレドは再会したマニィに最初まったく気づかない。見知らぬ人から親しげに名前を呼ばれ抱きつかれて「え? え? なんだぁ?」と慌てるのが可笑しい。ここの声優さんの演技が好きだ。
 アイーダとマスクが話しているところにマニィ、ノレド、ベルリが野次馬にやってくるが、報告にきたバララはベルリの顔面にヘルメットをぶつけて痛がらせる。そのあとベルリの方だけを向いて自己紹介をしてみせるのだから、G-セルフのパイロットに含むところが大有りなのだろう。
 「ザンクト・ポルト」と突然平常な声で喋るラライヤ。どきっとする芝居だった。
 クリム・ニックは白旗をあげて敵艦隊に近づき旗艦の撃沈を目論むという作戦を立てるが、それを聞いたマスクは大仰に賛成してみせる。マスクが拍手すると後ろのバララ搭乗のMSまで拍手するのは可笑しかった。
 ノウトゥ・ドレット将軍が法皇に謁見するために聖堂に入ってきたとき素早く立ち去るクンパの挙動は怪しい。今回はクンパの怪しさが垣間見えた回だった。
 エレベーターに先刻まで敵同士だった若者たちが乗り合わせてしまい、自己紹介などをやってしまうのが可笑しかった。
 トワサンガ使節団との会談の途中で、クリム・ニックが「レコンギスタ」のことを言いあててしまう?一幕があり、かれの天才性と衝動性をうまく芝居でみせていた。
 「トワサンガからの協力者がいたとみていいのです」と使節が言ったとき、アイーダがベルリの肩に手を置く芝居も意味ありげだ。
 画面手前にマスクとバララ、画面奥にクリムとミックがそれぞれ芝居をしているのがいい。マスクはクンパ大佐から連絡を受け、クリムは乱闘のあとを始末しているようだ。
 室内に残った二組とは対照的に、さっさと聖堂から出ていたアイーダは、部下たちにトワサンガに行くことを伝える。「本気ですか~?」とベルリもマンガのような顔になって驚いているのが可笑しい。「だから確かめに行くんでしょ!」と天を指さすアイーダはいままでにない晴れやかな顔をしている。

 ・第14話「宇宙、モビルスーツ戦」
 「えへへへーん」と上機嫌で室内に入ってくるノレド。可愛らしい私服を新調している。それをベルリに見せに来たのだ。「どお?」と得意げだ。かわいい。お次はラライヤ。「これ、似合います?」「ラライヤさん、そのファッション」とベルリは嬉しげ。思わず「さん付け」だ。可笑しい。最後はアイーダ。大人っぽいドレスだ。「それいいですね」「ついでにほめたでしょ」とむくれられる。この流れは楽しいなー。
 相変わらずトワサンガ使節団の前に姿を現さないクンパは、マスク、バララとお茶会。お茶を運んでくるのはなぜかマニィ。マスクの前にお茶をおくときさりげなく一瞬だけ目線をおくる。ガン無視のマスク。こういう細かい芝居は好きだ。「ここで暗殺をすればいいだけのことでしょう」とマスク。衝撃をうけるマニィは思わず窓の外の聖堂をみる。そこにかぶさるように「聖域ではだめだ。世界中の信者に嫌われる。宇宙戦艦とともに沈めることに意味があるのだ」となぜか目線を外して喋るクンパ。怪しい。「戦死なら名誉の死といえる」と目を瞑りながらクンパ。なにががある芝居のような。
 戦艦ガランデンに残ることを決意したマニィ。彼女の姿をみて乗れとかるく首をふるマスク。「戦闘になったら艦内の奥の方にいるんだ」と心配するマスク。「クンタラの名誉のため」とマニィとの約束を再確認。嬉しいと思ったそばからバララにかっさわれる。「私もMSを操縦できるようにならなくちゃ」と決心するマニィ。この流れも好きだ。
 「世の中手引書通りにいかないから、人間がいるんだ」というドレット艦隊のマッシュナー・ヒュームの台詞まわしがいい。
 敵MS二機を同時に撃墜してみせてるクリムは「つくづく天才だよ俺は」と勝ち誇る。
 それと対比的にベルリは三機をアッという間に撃墜する。戦闘不能にするだけの破損を狙う余裕まである。さらに追撃の勢いのとまらないベルリG-セルフに一機の敵MSが両手をあげる。ぎりぎりで勢いをとめ戦闘を中断する。
 「艦長! 日誌を書くのは後にしてください」「なんでだ(イマハ戦闘中ジャナイヨ?)」「大尉たちをみてください(マダ仕事中ダロガボケ)」のやりとりが可笑しい。
 「さすがマッシュナー中佐です」「ふふ、惚れなおしな?」のやりとりもいい。これだけで男女の匂いがする。さすが唯性論。
 完全に回復したらしいラライヤ。ノレド、アイーダ、ベルリと改めて挨拶を交わす。「へー」と思わずハグしようとするベルリを「ハイ触らない」ととめるアイーダ。このやりとりが可笑しい。
 投降したパイロット、リンゴ・ロン・ジャマノッタはリラックスした態度だ。トワサンガは侵入者を撃退する用意はないだろうと教えてくれる。アイーダは艦隊をもつのだから用心にこしたことはないと言う。アイーダがずいぶん指揮官らしくなってきている。
 いまの戦いでベルリが一番腕のあるパイロットだと思えるとアイーダ。嬉しさを隠せないベルリだがそれは重責だし命の危険を一番に受けることにもなるので必死に謙遜する。らしくないベルリに憧れのアイーダさんにおだててもらっているのだから男をみせろと言うノレド。エース扱いの意味をわかっていないのかもしれない。それでもアイーダがベルリを褒めるのに複雑なのか不機嫌なノレドがかわいい。

 ・第15話「飛べ!トワサンガへ」
 「ハッパ! 本気でベルリに使わせるのか」「砲撃だけです。バカでもつかえます」のやりとりに笑う。バカでもとかひどい。「ウソじゃ、なーい」のハッパの仕草もいい。
 「ではモビルスーツ部隊を追い越して砲撃をさせます」「あーよろしく」のアーヨロシクのやる気のなさが可笑しい。
 「ぼくにライフルを使わせないでください!」と言うベルリがカッコいい。
 「ラライヤは殺人鬼になったのか」とロックパイ・ゲティに叫ばせることでベルリG-セルフの常軌を逸した強さが示されていてうまい。
 「これ以上ぼくにライフルを使わせるとみんなで死ぬと言っているでしょう!」と鬼気迫るベルリ。戦場におけるこの全能感がたまらない。
 ミック・ジャックはMSヘカテーの性能もあって敵MSを屠る。その直後MSジャハナムで敵MSを「私は天才である!」と斬ってみせるクリム・ニックがカッコいい。
 「まさか、地球人のなかに伝説にいわれているニュータイプなんてのが……いるわけがないだろう!」とロックパイ・ゲティ。きましたニュータイプ。
 「アメリア軍に入隊してくれたか」「自分はキャピタル・ガードのままです(にっこり)」のベルリがかわいい。
 「きみはレジスタンスの仲間だったのかよ」「南リングはわたしの田舎です(ツン)」とラライヤ。よし。
 「ただいまー(ワーイ)」と飛び跳ねるラライヤ。よし。

Gのなんじゃとて 第10話から第12話 ネタバレあり

  ・第10話「テリトリィ脱出」
 緊急時でも休日には仕事しない連中への苛立ちから「地球人は絶滅していい動物」とまで言いきるクンパ大佐が、皆の前では「週末だというのにジュガン司令からの呼出です」とぬけぬけと言ってみせるくだりは、今作のラスボスの風格を漂わせるのに充分であろう。惜しむらくは(1)9話10話とまたいでいること(2)さりげない芝居すぎて印象に残りづらいこと、等があり「わかりやすさ」という点ではいまひとつだった。
 「ウーシァってさ、むかしの鎧の騎士みたい」「あーわかるー」というチアガールたちの会話を振り返って聞くジュガン司令。かれがショックを受けてMSウーシァを見返るのが可笑しい。よほど心外だったらしい(笑)。
 「中尉の働きにお礼を申し上げます」とお礼のステップを踏むアイーダ。ベルリはそれをみて「お礼が言えるひとだったんだ……」と内心で驚く。アイーダに対してそんな失礼な偏見をもっていたのかとわかって可笑しい。
 ケルベス・ヨーがキャピタル・アーミィからもちだしたバックパックはほとんどG-セルフを覆い尽くす巨大なものだった。それをみて驚き戸惑うベルリ。メカニックのハッパは当然ご機嫌だしケルベスに話しても「遊びじゃないんですよ、教官」「もう教官じゃない、戦友だよ戦友」ととりつく島もない。この不条理な状況に困惑するベルリだから、ドニエル・トス艦長に「ベルリは何をしてるんだ」「泣いてます。存在意義がないんで」と訴えることになる。この流れが楽しい。
 「ケルベス中尉もこの船を守ってくれるのですか」「長官命令だけではありませんよ。メガファウナはちょっと興味がありましてね。へへっ」「ああ軍艦好きなんですか」「ばかにしました?」「こころ強いです」というやりとりも面白い。ケルベス、あきらかにカッコつけてます。そして華麗にスルーされてます。さすがガールフレンドのいないやつの気持ちを理解できる男だ。
 張り切りすぎのベッカー・シャダム大尉が海賊部隊を撃滅すると言い放つとジュガンは作戦行動について怒鳴りちらして改めさせる。アーミィの連中は本当にわかっているのかと苛立つジュガンはチアガールたちが応援を始めると「女どもは……!」と吐き捨てる場面へと繋がっていく。ジュガンの苦労がしのばれて思わずクスリとする場面だ。
 「出動!G-セルフ出動!」「ビーム・ライフルの戦争?」と言えるようになったラライヤは確実に回復してきていることをうかがわせる。
 ラライヤについて「キャピタルの連中が気にしてるってんだから気にはしておけ」と艦長。「気にはしておけ」の確信なさげなこわねがいい。ベッカーが駆るウーシァに砲口を向けられ悲鳴をあげる芝居も文字言葉の発音になってないのが今作らしい素晴らしいところだ。
 今回のMS戦は俺のようなメカ音痴でも充分に楽しめた『G-レコは』屈指のものだった。迫力、カタルシスが群を抜いていた。アイーダ機がベッカー機に力負けして囚われるのはまさに「囚われの姫」だ。「恋を知ったんだ」と出撃するベルリが圧倒的な迫力で彼女を救出するのは圧巻である。戦闘後、姫をおんぶして帰る場面もロマンティックだ。
 破損し河に墜ちたウーシァにかろうじてへばりつくベッカー・シャダム大尉。河にはワニが(笑)。「沈む!沈むぞ!誰かー!」と必死に叫ぶと味方MSカットシーがくるが爆風で河に落ちそうになり「近づくなー!近づかないで救けてくれー!」と叫ぶ場面はほんとうに可笑しい。河におちるベッカーを待ち構えるようにワニが口を開くのだから芸が細かい。


 ・第11話「突入!宇宙戦争」
 久しぶりに再会するマスクとマニィ。ねぎらいの言葉もそこそこに女性パイロットに呼びかけるマスクは彼女の足を手慣れた感じで押してやる。「ルインはクンタラの名誉をかけたはずなのに……」と不満気にマニィがつぶやく。ここがが好きだ。マスクとバララがただならぬ関係かもしれないとそれだけで表現してしまっている。JINさんのいう“唯性論”の面目躍如といったところか。
 “唯性論”といえば、クリム・ニックが美女ミック・ジャックを餌に軍艦サラマンドラのパイロットたちを鼓舞する場面も印象的だ。このなかで手柄をたてた者はこの女とヤレるぞ、と鼓舞するわけだ。興奮する男たち(笑)。「海賊船にいたときとは違いますね」「パイロットなどおだてて使うのがコツだろ」としれっと言い切るクリム・ニックに大笑いするミック・ジャック。その哄笑にさらに盛り上がる男たち。富野作品を観ているなと感じいる場面だ。
 大統領の演説中にパラシュートで舞い降りてくるグシオン総監がカッコいい。宇宙服を次々脱いでいくと制服姿があらわれるのがまたカッコいい。波乱万丈か。
 宇宙用バックパックを装備してもらい出撃するベルリの「ありがとやす」も面白い言い回しだ。聞いたことないよ。 
 「混戦になります。そこから抜けだしたやつをここから狙撃してください」とアイーダを説得するベルリはずいぶん突貫娘の扱いになれてきているようで頼もしい。「あ、そうか。それはそうよね」とあっさり説得されるアイーダもいくぶんかベルリに心を許しはじめているのがうかがえる。
 「キャピタル・ガードの素人が!」とマスクが高笑いする芝居もいい。いままでの屈辱、挫折、劣等感が晴れるような高笑いだ。軍属になったことを否定し「キャピタル・ガードのパイロット候補生」を自認したベルリとは好対照である。
 「どうするベル、やるかやめるか」と内心で自問する場面も印象に残った。一人称“僕”なのにこういうときは“ベル”なのね。“ベルリ”でもなく。
 聖地ザンクト・ポルトに軍隊であがったりしたら最大のタブー破りで祟りますよ、と主張するベルリに、アメリア人たちは「祟る?」「んー祟りかよ」といぶかしむ。「そりゃ祟りますよ!」とノレド。キャピタル・テリトリィのスコード教徒のあたりまえの反応なのだろうが、この設定だと主人公と視聴者に距離が出来てしまうという問題がでてきてしまう。芝居としてはワカルが作品構造としてはどうなんだろうか。
 作品構造といえば、今回からサッパリ情勢がわかりづらくなる。
 クリム・ニック(アメリア)vsキャピタル・アーミィ(マスク)はわかる。メガファウナ(アメリア)vsキャピタル・アーミィ(マスク)もわかる。
 しかしメガファウナ(アメリア)vsクリム・ニック(アメリア)はわかりづらい。相手は味方だったクリム・ニックだし、同じアメリア軍だし、メガファウナの独立性がそこまであるとは予想だにできないし、ただただ困惑するばかりだ。

 ・第12話「キャピタル・タワー占拠」
 低重力環境の追いかけっこの芝居が楽しい。富野コンテかと見間違うくらい低重力環境の慣性をうまく描いていて素晴らしかった。
 ノレドから逃げるラライヤは「こんなの嫌。どかしてよ」とハッキリ意思表示していてじょじょに回復しているのがわかる。ラライヤはG-セルフにアサルトパックが装備されることを嫌がっているのだ。それに理解を示すベルリだし、その感じ方は理解できるようになったと言うハッパだって、次の戦場のことを考えたらアサルトパックは必要になると告げるしかない。そこからアサルトパックの機能説明に話がいき、現在の窮状のなかでベルリをアテにしているとおだててマニュアルを渡す一連の芝居は綺麗に流れていて好きだ。そのマニュアルの表紙が初代ガンダムのそれと似たものであるという遊び心も楽しい。
 クリム・ニックが聖地ザンクト・ポルトを占領すると言えば、アメリア戦艦のクルーたちも動揺を隠せない。アメリア人といえどもスコード教の教条?から自由なひとばかりではないことがわかる場面で、クリムやアイーダ、ドニエル艦長の方が例外なのかもしれないと思わせる。
 結局マニュアルは全部読みきれなかったベルリだったが全部読みましたとウソをつく。マニュアルを投げ捨てると反射して顔にぶつかり「痛い」となる。このあたりの芝居が好きだ。
 「いっけー! よくみてね!」バララが両手を広げて発射する場面がかわいい。「よくみてね!」がとくに。
 「一斉射でしょぉぉ!」がなんとも愛嬌を感じさせるこわねであった。
 「私の部下をアメリアごときにやらせるかー!」と言ってぐるぐる回るマスクが可笑しい。
 「だめでしょ大尉。焦りがまるみえ。それじゃ青いジャハナムにやられる」と言ってマスクを制止するバララはいい女である。
 「艦長! 航海日誌は後で書いてください!」に噴く。
 「エレベーター」「上にいきます(にっこり)」のラライヤがかわいい。だいぶ回復してきている。
 聖堂に一堂に会した要人たちは、そこで謎の勢力からの攻撃を目前とする。えーまた勢力が増えるのかよーと戦慄する俺という流れ。

Gのなんじゃとて 第7話から第9話 ネタバレあり


 ・第7話「マスク部隊の強襲」
 運行長官ウィルミット視点で場面がつづく。着々と軍事化する事態にアーミィの司令官ジュガンへの苛立ちを隠せないという芝居でキャピタル・テリトリィの現状を説明しているのはいい。
 自室に戻り突如笑い出すウィルミット。無力な自分への自嘲なのか、笑わずにはいられない現状へのストレスなのか、判然としないが、とにかく普通の精神状態ではないことがわかる。
 ウィルミット視点はつづき、息子ベルリがいるかもしれないアメリア軍メガファウナの所在を知ることになり、なにやら思案げな芝居があり立ち去る。それに気づいたジュガンが部下に監視させる流れがいい。
 ここの芝居でさりげなく視点はジュガンに移行するわけでこのあたりの流れも素晴らしい。ジュガン視点で戦艦ガランデンの画を知ることになり、場面はガランデンに転換する。この流れもいい。
 そこで舞台はガランデンに移るのだがロングで全景を撮る場面がないため、わかりづらい。いきなりマスク部隊の発進である。いままで丁寧に描いきた芝居の連鎖が台無しである。
 そして突然ザクモドキ?MSジャハナムの顔アップからメガファウナ側の場面に転換する。これでは「ついていけない」。今作、メカ廻りはほんとうにわかりづらい。
 MS同士のハイタッチは好きな場面だ。人型であることがいきている。
 「ベルが好きなバナナとシナモンのビスケットを持ってくるのを忘れた!」というウィルミットの台詞も可笑しい。ジュガンがシリアスに警戒した厳格な運行長官の謎の挙動が、海賊船にいる息子に会いに行くためだと知らされる(笑)。そのいとも気軽な感じが可笑しい。
 危機に陥ったラライヤが「きれいなひとみさーん」と叫ぶのが印象的だ。
 できればベルリにジャハナムで戦果をあげて欲しかった。そうすればベルリの実力がG-セルフに依存したものではないとわかるからである。

 ・第8話「父と母とマスクと」
 「ジャハナムは貴様が使ってみせろ」「えー(マジスカ)」のやりとりが好きだ。組織のなかでのこういう無茶ぶりがアルアルである。
 そのあとの「敵は手強いですよ」「貴様にできて俺にできないことはない(ザケンナ)」のやりとりにつながるわけで人間臭くていい。
 海に落ちたアーミィのパイロットがマスク搭乗のMSエルフ・ブルックに「マスク大尉~」と救けを叫ぶ場面も好きである。声も届かず救出も無理なのはわかるが叫ばざるをえなかったのだろう。
 ウィルミットの「これ、いつの水だ」と顔をしかめる場面も細部のリアリティを高めるいい場面だ。
 「阻止できませんでした(ビクビク)」「風船じゃ無理だろ(平然)」の会話に噴く。
 「お互いに機体がガタガタなんですから」のあとミック・ジャックが結んだ髪をつかむ芝居もいい。
 G-セルフの目がカッコよくピキーンと光りながら「母~?」という間抜け声がでるのが可笑しい。
 そのあとの母子の会話にほっこりするので、アイーダの「うそ、ついちゃった」と舌をだす仕草にもイラッとしないですむのである。
 ここでキャピタル・タワーの運行長官とアメリア軍の総監とが会談をもつことになるのだが、このあたりを成立させるための「意図せざる遭遇」というご都合主義は、イデオン以後の富野作品なのだから、目を瞑るのが現実的というものだ。
 建造中止にしたはずのニック・スペースがメガファウナであるというベルリの指摘に、ミック・ジャックから軽く肘打ちされ顔をしかめるクリム・ニックという芝居がいい。
 そこからミックによる「お母ちゃんにおっぱい吸わせもらいな」という流れはクリムのための意趣返しともとれるいい芝居だ。
 「失礼でしょ」と憤るノレドに「パチンコはかんべんな」と軽口で応ずるクリムなのだから、その場に居合わせたミックとメガファウナ組との距離感の違いが出ていていい。
 「補充兵はデッキに落ちた破片を拾え!」という場面も印象に残る。そういう仕事を描く作品は少ない。
 逆光の後ろ姿でマスクがルインであることに気づくマニィだが、屈辱のなかにいる彼には同じクンタラです、と激励にとどめる。
 マニィに気づいた様子のマスクだが「クンタラにもプライドがある。いまはそれを遂げさせてくれ」「応援します! マスク大尉!」「おうよ!」という流れは爽やかな感動をよぶ。

 ・第9話「メガファウナ南へ」
 「行儀よくなさい。ここはよそ様の軍艦ですよ」とウィルミットの言い回しがいい。運行長官というよりまるきりよそ様のうちではしゃぐ子供を叱る母親の言い方だ。
 またここの場面は登場人物たちが目線で演技するところも見逃せない。叱るウィルミットと礼儀正しく謝罪するベルリを交互に見るアイーダ。「母はまだグシオン総監に頼んでないのでしょ」と言われグシオンを見るウィルミット。「なにかな」とグシオンが応ずれば、ウィルミットもベルリに目線を返す。無茶な提案を説得するベルリはグシオン→ウィルミットと目線を動かす。その目線のなかにアイーダが入ってくる。アイーダは「すごい思いつきですけど……」と言って目線をベルリからグシオンに向ける。やりとりを見ていた艦長も振り返ってグシオンに目線を送る。グシオンの話の途中で艦長はまた目線を別に移す。そこにグシオンの台詞にかぶさるようにウィルミットが話し始める。ここの目線の応酬が好きだ。最後に目線は喋るアイーダに集中することになるのだが、そこで別の意味合いのそれを感じたのか、「なんです?」とアイーダがベルリに目線を向けることによって終了する。そこで目線の応酬に参加してなかったノレドがべ~と舌を出すという流れである。
 「イザメル大陸に入ります」「総員……」「ギゼラ!」「大丈夫。こちらでも高度コントロールしてるから」という場面も好きである。奥にいる艦長はなにごとか喋っているのだが「総員……」以後よく聞きとれないのが場面に厚みをつくっている。
 長距離電話は高いよ、と言う農家のおじさん。はいお釣りもとっておいてというウィルミット。そのあと鶏と魚を全部買うと言われ「ちょ、ちょっと待ってくれ、計算機もってくるから」と態度急変慌てる場面も好きだ。のんびりした日常シーンである。
 宇宙海賊をやっていたアイーダが地上のミノフスキーフライトの不安定さに辟易している場面の次に“船酔い”をしたウィルミットが「宇宙戦艦なんて人類を滅亡に導く技術の象徴ですよ」とズレた悪態をつくのが可笑しい。
 「キャピタル・ガードの職員とはああいうものですか」「スコード教の信者、と言う方が正しいですね」「ああ、スコード教ねぇ」というやりとり、各人の温度差があってよい。
 ベルリが連行される不穏な空気のなか「ナンダ、ナンダトテ」とハロビーまで言い出すのが不思議な味わいになっている。

Gのなんじゃとて 第4話から第6話 ネタバレあり

 ・第4話「カットシー乱舞」
 ルインとマニィが親しげに話す後ろでため息をつくモブがいい。
 クリム・ニックがベルリにG-セルフを操縦してみせろと迫る場面があるのだが、ノレドのパチンコをとりあげ、ラライヤに揚げ物を「たべるか」とすすめられるという芝居が入り込むことによって、たんなる段取りシーンになっていないのが秀逸である。
 その流れで結局ラライヤの揚げ物を食べるクリム・ニックなのだから自信家であっても高慢なお高くとまっているタイプではないことがわかる。
 だから「目がきれい」「いつも言われていることだ」という会話がいきてくるし印象的だ。
 「スコード!」とベルリが叫ぶと、取り囲んだMSカットシーがあっという間に退けられてしまう場面は、理屈ぬきのカタルシスがある。
 クリムに優れた軍人と評されたデレンセン。その直後にデレンセンが何人もの戦友を戦死させてしまったことに悔悟をかみしめる。何人かの個人名を挙げるところが印象に残る。「すまねえ!」と夕暮れのなかで光る涙。彼はまだアーミィではなくキャピタル・ガードだといえる。
 「中尉の話、聞きたくないか」「うん。ベルはこの艦に貸しつくったんだから帰れるよ」というベルリとノレドの会話も面白い。「聞きたくない」から「うん」なのだ。即答で。
 「貸しをつくった」と言われ「え? ああ」と若干晴れた表情をするベルリの次の場面でアイーダが映るのは心憎い演出である。

 ・第5話「敵はキャピタル・アーミィ」
 マスク初登場。「カッコいい」「いいんじゃないの」「だっさー」とチアたちの感想をかるく流すのがいい。「だっさー」が最後なのもいい。
 マニィだけは感想につきあわず「ん?」という表情をしているのも可笑しい。直後に「今日のキャピタル・ガードのなかにもルインはいなかったなー」と言うのは無意識に連想が働いたのかもしれない。
 美女ミック・ジャックに見惚れるベルリ、彼女を睨むノレドという細かい芝居が楽しい。とりあえず敵認定をしたらしい。
 「ええー!?それ出たままになってんですか」とコア・ファイターを指さすときのベルリの芝居がいい。横飛が驚いた感じを倍増している。
 メカニックたちの雰囲気から警報の意図がわからくなり質問するところは説明としては成立するが劇の場面としてのチグハグ感はいなめない。緊張した場面なのかそうでないのか判然としなくなるからだ。
 クリム・ニックからアメリア軍への入隊を誘われるがその気もないのに「中尉待遇なら」と答えるベルリが不敵でカッコいい。
 ラライヤがクリムのおさげをつかんで歩いている姿は微笑ましい。邪険にしないクリムもいいやつである。
 ベルリが格闘でクリムを圧倒するのもカッコいい。打撃系ではなく関節技で相手の動きを封じる格闘術がベルリの人となりをうかがわせる。職業軍人より格闘術が上というベルリの超天才ぶりがハッキリした場面でもある。
 艦長とクリムがベルリの出撃を許可したあとの、アイーダと操舵手ステアのグルーミング場面も面白いアイデアである。それを男の艦長視点で描くのだからよけいに印象に残る。
 「アルケインだって飛べますよ」と言うアイーダの後ろで、ラライヤとノレドが小芝居をしていて、それをひろってくれる今作はほんとうに好きだ。
 「姫さまの義務ですぞ」とまで言われたアイーダはベルリに礼を言う。平静な様子だ。しかしその後、人知れず悔し泣きをする。ステアにグルーミングで慰めてもらった場面があっただけにそれだけでは治まらない心の傷みがよく表れている。画面手前ではクルーたちが忙しそうに作業をしている。孤独感がなお引き立つ。
 今回の名場面はもちろんコックピットの隙間にへばりつくハッパである。ナニシテンノ(笑)。

 ・第6話「強敵、デレンセン!」
 うーん。今回は前回までと違って、これといった印象に残る芝居が少なかったように感じた。
 低重力環境?のなか髪を縛っているベルリがかわいい。ノレドはそれほどでもない(笑)。この差はなんだ(笑)。
 低重力環境のなかでも地上と同じスタイルで歯磨きをするするベルリをノレドはいぶかるが、歯茎のマッサージのためと言われる。キャピタル・ガード候補生として低重力環境に慣れていることをうかがわせ、そんなベルリの習慣を知らなかったノレドは、そうした環境にそこまで慣れてないことをうかがわせる。
 「いつ逃げ出すんだ」とノレドが囁く画面奥ではクルーのひとりが裁縫をしている。画面奥でも芝居をさせるのは大変そうであるのだが今作はそれをちゃんと動かしてみせる。またそこにクルーがいることによって密談をしている芝居にならざるをえない場面である。
 ジュガンが「ふん、ババァめ」という台詞があるのだが、「ふん」と明確に発音させてしまうのは今作では珍しい。音響監督の手腕が一際光る今作だけにその意図が気にかかる。
 アンダーナットを移動中、小石がデレンセンのもとに投げられる。アーミィが人々に嫌われていることがわかるし、それにまったく動じないデレンセンは自分の職務に信念をもっていることがわかる。
 アンダーナット司令室?にあるモニターにウィルミットが映る。彼女の隣のモニターにデレンセンが映ってくる。モニター越しに顔を突き合わせるように会話する。そこが少し面白い。
 「アテにしてるぞ!少年!」とアダム・スミスに言われ「冗談じゃない!」と憤慨するベルリが、ハッパの説明を聞いて「はい!」と突然素直な態度に変わるのは人間関係の温度差を感じさせる。だからその後の出撃前に「アダム・スミスさんって顔に似合わず気遣いがあるんだ」とベルリがにっこりする場面は、アダム・スミスの紹介にもなっているしベルリの素直に人をみる性格の表現にもなっている。
 ブリッジ画面奥でステアが屈伸?運動をしている。面白い。ナニシテンノ。
 キャピタル・ガード候補生として敵の情報を集めてから自力で帰還したい、という気概をみせるベルリは、敵アメリア艦隊の位置を特定すると、それまで着けていなかったヘルメットをかぶる。さあこれから帰還するぞ!と意気込みが伝わってくる場面だ。それに水を差すようにミノフスキー粒子が散布される。
 「船底にバリア展開」「まだ早いでしょ」「えー?そうなのォ」というやりとりは可笑しい。「えー?そうなのォ」という声優さんの演技が好きだ。
 ベルリはあまりにも正確な急襲に否応なく戦闘に巻きこまれてしまう。最初の一撃が直撃で、リフレクターパックがなければ撃墜されていた。その際リフレクターパックの性能に舌を巻くベルリは思わず「な、なんじゃとて!」と驚いてしまう。この「なんじゃとて」という台詞が可笑しかった。
 二撃目、三撃目と直撃を受けるG-セルフだがリフレクターパックのおかげで撃墜されることもなく戦闘はつづく。四撃目を防いだベルリは執拗な攻撃に敵モビルスーツのコックピットを撃ち抜く。そのとき互いにベルリ生徒とデレンセン教官だったことを知る。
 知らずとはいえ恩師デレンセンを殺害することになったベルリはひどく落ちこんでいる。その様子をみたアイーダは彼を休ませてくださいと艦長に言う。あれだけベルリにツンケンした態度で敵意を隠さなかった彼女なのだからそうした気遣いをみせるのは本来的に優しい女性だとわかる場面だ。
 自室で罪の重さに煩悶するベルリを戸の近くで見守るアイーダをロングでとらえる。前景には無傷のG-セルフ。

Gのなんじゃとて 第1話から第3話 ネタバレあり

 富野作品は芝居が面白い。
 たとえ物語が理解できなくても、あるいはそもそもが存在しなくても、あるいは錯綜し破綻していても、場面場面の芝居が楽しければそれでいい、というのが俺の富野作品に対する視聴スタイルだ。まるで中毒性のある劇物のような癖になる面白さなのである。

 『G-レコ』もまた同様である。『G-レコ』はストーリーはあっても物語はなかったのではないか、という疑惑があるのだが、場面場面の芝居の楽しさで最後まで疾走するように視聴してしまった。
 そんな『G-レコ』の芝居のどこを楽しんだか、つらつら書いてみようかと思う。

 ・第1話「謎のモビルスーツ」
 富野作品は第1話と最終話は作品全体とは関係なく格別に面白い、ということが多い。
 今作の第1話も例にもれず格別に面白かった。
 基本的に“文句なし”なのだが、そのなかであえて特に好きなお芝居をとりあげよう。

 授業に集中しない主人公ベルリがデレンセン・サマター教官に鞭をとばされるのだが、それを難なくよけあげくは懐にとびこむという芝居がある。普通は注意されどつかれるのが定番のはずなのだが、ぼんやりしていても俊敏に反応するところがカッコいい。エヘッと得意げに笑うところもかわいい。
 ケルベス・ヨー教官の「ガールフレンドのいない連中のことも考えてやれ」のくだりも楽しい。ここはクスリとした。なにかのおりに言ってみたい台詞である。
 「空気と水の玉、チェック!」などと緊急時に確認をとるベルリもカッコよかった。エリートしてる感じが出ていた。
 「未来の亭主さがしというのはいい加減やめなさいよ」のヤメナサイヨの声が若干裏返っているのがいい味だしていた。
 チーム全員で四股を踏む?場面も忘れがたい。低重力環境にいることと若い生徒たちの意気込みを伝えるさりげなさがいい。
 「年齢の順だろ」「あッハイ!」のくだりもベルリの素直な性格が出ていてみていて気持ちよかった。
 「ありがとした」という台詞も面白い。ありがとした、って聞いたことないよ。
 第1話ではベルリはひっきりなしに舌を出して口をなめているのが印象的だ。絵面としてはお茶目でかわいい感じが出ていた。

 ・第2話「G-セルフ起動!」
 法皇とのやりとりのあと画面奥の無邪気なラライヤの挙動がかわいい。画面手前と画面奥で別々に芝居させるのが富野コンテの大変そうなところだが今作ではそれが他作品以上に忠実に表現されていて嬉しい。
 ラライヤが無邪気なだけに男子生徒たちが下心丸出しで近づくとノレドが「触らないの!」と注意するくだりもよい。
 ベルリが母親に肩を抱かれて微妙な顔になるのがいい。飛び級生ですでに半ば社会人をやっていても、そういうお年ごろなのかな、ということがうかがえる。
 空襲を受けて逃げ惑う人々のなかで呆然として動けない人がいるのもいい。仕事の途中だったので頭の切換がうまくいかなかったのだろうか。モブのこういう細かい芝居はみていて楽しい。
 空襲中にラライヤが「G!G!」とつぶやくのだが、視聴者には何のことかわからない。そこに「なんだって?」「わかりません」という応酬が入る。ここは噴く(笑)。
 「女のちからで~!」もいい場面だ。その後話数がすすむとマニィのこの台詞がいきてくるのもいい。
 ベルリが「女に気をとられて~!」とハモりながらツッコミを受けるのもいい。説明と芝居がかみあっている。
 嫉妬しているノレドのアイーダへのお尻攻撃連発も可愛らしく可笑しい場面だ。
 アイーダの髪がぼさぼさなのが芸が細かくて好きだ。
 「僕が動かしたままだ」「G-セルフです(キリッ)」「なんで?」「私が名付けました(キリッ)」の流れも噴く。ひとの話ききなさいよ(笑)。
 カーヒル撃墜後キャピタル陣営にそれが殺人という認識がないやりとりも興味深かった。

 ・第3話「モンテーロの圧力」
 「よけたうえに防御もしているか。期待できる生徒だな」「ありがとうございます」のやりとりがカッコいい。マニィのバストショットでわかりづらいが、画面右上で不敵に微笑んでいるらしいルインが素敵だ。クンタラでも優秀な若者は大歓迎だというキャピタル・アーミィの台所事情も表現しているのかな。
 ベルリを自宅まで追いかけるノレド。そこにはベルリの母が。もう知り合いなのかと思いきや初対面(笑)。ノレドがまったく物怖じしない子だというのがわかる微笑ましい場面でもあるが、物語としては冗長である。説明としてはアリだと思うが。
 べルリの指先の傷を心配する母、それに嬉しそうに反応するベルリという流れもいい。母に過剰に心配されて素直に嬉しがるベルリは中学生的心理は卒業しているのがわかる。
 場面かわって海賊部隊。ここがわかりづらい。メカ認識のできない俺にはキツい場面転換だ。
 熱弁をふるうクリム・ニックに「さがって! 落ちます!」のくだりが笑える。
 怒鳴り合いの議論から一転「ジャベリン、ありがとうね」と爽やかに言うクリムの芝居で一気に好感度アップ。
 ひとりこっそり出かけるベルリに追いつくノレドの「えへへ」がかわいい。しかし若いふたりの痴話喧嘩?は説明調でありクドい。
 途中ワンカットだけ敵MSが映るのもメカ認識のできない俺には不要に混乱した原因である。しかもキャピタル・テリトリィの話の間の挿入なのに向かってくるのではなく向かっていく画作りである。キツい。
 アイーダが踊るように開いた扉から出てくる芝居が楽しい。ナニシテンノこのひと(笑)。
 キャピタル・ガードとアーミィとの士気の差、危機感の差が出る芝居の流れもいい。前者の経験からくる緊張感と、急ごしらえの後者のやるの気のなさの対比がいい。
 「ジャベリンはこう使う!」「なーにがジャベリンよ!」と戦闘を介して不思議と会話が成立する敵と味方。このみせ方はうまくてニュータイプ的感応が必要ない予感がある。

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