ガンダム30周年でなんか書こうと思ったらもう師走だよ

富野由悠季への愛を告白するBlogです。熱狂的なファン時代は過ぎ、今はちょっと遠くから眺めている感じでしょうか。 『伝説巨神イデオン』で“ゴーチンby小松左京”されたクチです。

『新世紀エヴァンゲリオン』について

 俺にとり旧『エヴァ』とは、アニメで何かを語ろうとしている、久しぶりの作品だった。
 90年代に日本のサブカルチャーには大きな変化があらわれた。それはライトノベルの登場だ。「中高生向けの楽しい作品」という点で、それは以前には存在しなかったものだ。
 その変化はアニメにもあらわれる。はじめから中高生を標的にしたアニメがつくられることになった。これも以前にはなかったものだ。ガンダムブーム後のオリジナルロボットアニメも子供向けの作品という前提であった。ガンプラブームは小学生に支えられたのだから当然である。
 それが90年代に、あらかじめティーンエイジャー向けにつくられた娯楽作品がでてきたわけだ。俺にいわせれば「アニメ」の90年代とは、“あかほりさとる”に象徴される時代だ。玩具屋から、出版社やレコード会社の商売になった。
 ガンダムの前後でアニメが変化したのが80年代なら、ライトノベルの前後でアニメが変化したのが90年代ということだ。80年代TVアニメがトミノの時代なら、90年代TVアニメはアカホリの時代だ。
 その時代にあって、監督が言いたいことがある作品、というのはほんとうに特異だった。トミノの後継者がついに現れたのか、と一話から注目していた。
 しかし一話は俺の期待するものとはずいぶん違っていた。人物造形の不自然さ、芝居の不自然さ。フィルム全体に感じる気持ち悪さ、薄気味悪さ。
 文芸方面の品質の低さに戸惑ったが、同時に興味もわいた。ここまで人間性に対する理解から程遠い人間が、何を言いたいのか、何を必死になっているのか、と。そして観ていくうちにその“必死さ”にどんどん惹きこまれていった。そして最終回で少し泣いた。

 俺にとりその“必死さ”とは、『エヴァ』の気持ち悪さに気づかず自然と主人公シンジに感情移入して観てくれている「シンジ君たち」に自己肯定感を与えたい、という祈りのようなものに感じられた。
 TV版最終二話は、「シンジ君たち」に肯定感を(無理矢理wにでも)与えようとする庵野の“必死さ”に感動した。
 それにTV版最終回で「アニメって作り物なんだよ」ということと「きみの現実はきみにしか作れないんだよ」ということを同時に表現してしまったことはやっぱり凄い。

 また可能性の一つとして提示されたラブコメアニメ「学園エヴァ」の描写も俺には楽しいものだった。あれは“お土産”だなと俺は素直に解釈した。

 ところがこれを受けつけない人たちがいた。「学園エヴァ」まで悪意でとらえる人たちがいると人づてにきいたとき、庵野が可哀想すぎると思った。
 でも時代は、あかほりさとるの時代だったのだ。ティーンエイジャーが“お客様”になっていた時代だ。子供向けの作品のなかから、大人の製作者たちの意図を汲み取ろうとする「昔かたぎの」アニメファンたち(ばかり)ではなかった。まさに『ヤマト』ではじまった何かは『エヴァ』で終わったわけだ。
 興味深いことに、あかほり自身は『エヴァ』に肯定的で、そのラストがアレな感じになることまで言い当てていたという話もある。

 映画版はTV版ほどの迫力は感じなかった。祈りがない。“必死さ”がない。観てくれている人達への“想い”が……歪んでしまっている。これは無理もない。
 しかしアスカに「気持ち悪い」と言わせたことで、エヴァというタイトルは歴史に完全に残ることになったと思う。だってほんとに気持ち悪いもんね、エヴァって。よく言わせたよなー。ほんと凄い。


 追記

 その「ライトノベル」も、メディアミックス前提のあかほり的なものから、ブギーポップ的な小説人気だけで成立するものへと変化していく。電撃文庫がライトノベルの中心的レーベルになる。
 電撃下克上w以後のイメージで、上に書いた文章の「ライトノベル」を解釈してしまうと、ボタンの掛け違いがおこる。

 あとやっぱさ、『エヴァ』の前にヒットした『ツイン・ピークス』を観てたかどうかもデカイかもしんないな。
 『エヴァ』は謎バラマキとかさ、すげー『ツイン・ピークス』っぽかったんだよね。だから俺の場合最終回も違和感なかったんだろうなー。やっぱそうくるよねてな感じで。

 『ツイン・ピークス』のラストで俺が連想したのは映画『2001年宇宙の旅』なんだなー。『ツイン・ピークス』がユングなら『2001年宇宙の旅』はニーチェかなーと。『エヴァ』は……なんだろうな。自己啓発セミナー?……よくわからない。
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Author:shiwasu5
どんな奴か?
自己紹介。最終学歴は専門学校卒。(東京デザイナー学院アニメーション科)
小学時代→遊び時間と授業時間の区別がつかず。
中学時代→校内暴力をのびのびとエンジョイ。
高校時代→管理教育で次々と仲間が退学していくなかなんとか卒業。
浪人時代→二年間、進学/就職浪人をする。
本屋でバイト→本屋潰れる、古本屋でバイト→古本屋潰れる。クラブ通いで某事件を起こし警察に捕まったのもこの頃。
専門学校時代→馬鹿みたいに楽しかったが、周囲の才能に圧倒される。同期に吉田健一や長濵博史がいて、三人でつるんで歩いたこともある。やつらと較べた俺が間違いだった。
虫プロ入社。最低限の固定給が約束されているいい会社でした。『うしろの正面だあれ』の生活描写についていけず退社。絵が下手なのを実感。
バイト時代→バイトしながら漫画家を目指す。気に入ったコンテが描けず挫折。
デザイン系の会社のバイトから正社員へ。
現在は鬱(双極性障害)のため地獄を彷徨う。彼女と別れる。誰か背中抱いていてくれ。

好みの傾向
・アニメ五選(TVシリーズは除く)
『白い牙』
『機動戦士ガンダムF91』
『AIR』
『もののけ姫』
『アリオン』
・漫画五選
『メトロポリス』
『がんばれ元気』
『デビルマン』
『GANTZ』
『天然コケッコー』
・小説五選
『砂の惑星』
『狼の紋章』
『逃れの街』
『ながい坂』
『剣』
・映画五選
『ブレイブハート』
『ダークシティ』
『夜の大捜査線』
『用心棒』
『イージー・ライダー』
・音楽はわかりません。
世代的にいえば
サザン、YMO、尾崎、マイケル・ジャクソン、U2あたりが直撃です。
クリス・レアとかビリー・ジョエルとかも好きでした。(英語歌詞わからんけど)
・政治傾向
公武合体、天皇機関説、大きな政府、死刑廃止論者。
・女性の好み
シャアにとってのララァみたいな。
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元気くんのお父さん。
・富野由悠季の好きなところ
一生懸命なところ。

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