ガンダム30周年でなんか書こうと思ったらもう師走だよ

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Gのなんじゃとて 第1話から第3話 ネタバレあり

 富野作品は芝居が面白い。
 たとえ物語が理解できなくても、あるいはそもそもが存在しなくても、あるいは錯綜し破綻していても、場面場面の芝居が楽しければそれでいい、というのが俺の富野作品に対する視聴スタイルだ。まるで中毒性のある劇物のような癖になる面白さなのである。

 『G-レコ』もまた同様である。『G-レコ』はストーリーはあっても物語はなかったのではないか、という疑惑があるのだが、場面場面の芝居の楽しさで最後まで疾走するように視聴してしまった。
 そんな『G-レコ』の芝居のどこを楽しんだか、つらつら書いてみようかと思う。

 ・第1話「謎のモビルスーツ」
 富野作品は第1話と最終話は作品全体とは関係なく格別に面白い、ということが多い。
 今作の第1話も例にもれず格別に面白かった。
 基本的に“文句なし”なのだが、そのなかであえて特に好きなお芝居をとりあげよう。

 授業に集中しない主人公ベルリがデレンセン・サマター教官に鞭をとばされるのだが、それを難なくよけあげくは懐にとびこむという芝居がある。普通は注意されどつかれるのが定番のはずなのだが、ぼんやりしていても俊敏に反応するところがカッコいい。エヘッと得意げに笑うところもかわいい。
 ケルベス・ヨー教官の「ガールフレンドのいない連中のことも考えてやれ」のくだりも楽しい。ここはクスリとした。なにかのおりに言ってみたい台詞である。
 「空気と水の玉、チェック!」などと緊急時に確認をとるベルリもカッコよかった。エリートしてる感じが出ていた。
 「未来の亭主さがしというのはいい加減やめなさいよ」のヤメナサイヨの声が若干裏返っているのがいい味だしていた。
 チーム全員で四股を踏む?場面も忘れがたい。低重力環境にいることと若い生徒たちの意気込みを伝えるさりげなさがいい。
 「年齢の順だろ」「あッハイ!」のくだりもベルリの素直な性格が出ていてみていて気持ちよかった。
 「ありがとした」という台詞も面白い。ありがとした、って聞いたことないよ。
 第1話ではベルリはひっきりなしに舌を出して口をなめているのが印象的だ。絵面としてはお茶目でかわいい感じが出ていた。

 ・第2話「G-セルフ起動!」
 法皇とのやりとりのあと画面奥の無邪気なラライヤの挙動がかわいい。画面手前と画面奥で別々に芝居させるのが富野コンテの大変そうなところだが今作ではそれが他作品以上に忠実に表現されていて嬉しい。
 ラライヤが無邪気なだけに男子生徒たちが下心丸出しで近づくとノレドが「触らないの!」と注意するくだりもよい。
 ベルリが母親に肩を抱かれて微妙な顔になるのがいい。飛び級生ですでに半ば社会人をやっていても、そういうお年ごろなのかな、ということがうかがえる。
 空襲を受けて逃げ惑う人々のなかで呆然として動けない人がいるのもいい。仕事の途中だったので頭の切換がうまくいかなかったのだろうか。モブのこういう細かい芝居はみていて楽しい。
 空襲中にラライヤが「G!G!」とつぶやくのだが、視聴者には何のことかわからない。そこに「なんだって?」「わかりません」という応酬が入る。ここは噴く(笑)。
 「女のちからで~!」もいい場面だ。その後話数がすすむとマニィのこの台詞がいきてくるのもいい。
 ベルリが「女に気をとられて~!」とハモりながらツッコミを受けるのもいい。説明と芝居がかみあっている。
 嫉妬しているノレドのアイーダへのお尻攻撃連発も可愛らしく可笑しい場面だ。
 アイーダの髪がぼさぼさなのが芸が細かくて好きだ。
 「僕が動かしたままだ」「G-セルフです(キリッ)」「なんで?」「私が名付けました(キリッ)」の流れも噴く。ひとの話ききなさいよ(笑)。
 カーヒル撃墜後キャピタル陣営にそれが殺人という認識がないやりとりも興味深かった。

 ・第3話「モンテーロの圧力」
 「よけたうえに防御もしているか。期待できる生徒だな」「ありがとうございます」のやりとりがカッコいい。マニィのバストショットでわかりづらいが、画面右上で不敵に微笑んでいるらしいルインが素敵だ。クンタラでも優秀な若者は大歓迎だというキャピタル・アーミィの台所事情も表現しているのかな。
 ベルリを自宅まで追いかけるノレド。そこにはベルリの母が。もう知り合いなのかと思いきや初対面(笑)。ノレドがまったく物怖じしない子だというのがわかる微笑ましい場面でもあるが、物語としては冗長である。説明としてはアリだと思うが。
 べルリの指先の傷を心配する母、それに嬉しそうに反応するベルリという流れもいい。母に過剰に心配されて素直に嬉しがるベルリは中学生的心理は卒業しているのがわかる。
 場面かわって海賊部隊。ここがわかりづらい。メカ認識のできない俺にはキツい場面転換だ。
 熱弁をふるうクリム・ニックに「さがって! 落ちます!」のくだりが笑える。
 怒鳴り合いの議論から一転「ジャベリン、ありがとうね」と爽やかに言うクリムの芝居で一気に好感度アップ。
 ひとりこっそり出かけるベルリに追いつくノレドの「えへへ」がかわいい。しかし若いふたりの痴話喧嘩?は説明調でありクドい。
 途中ワンカットだけ敵MSが映るのもメカ認識のできない俺には不要に混乱した原因である。しかもキャピタル・テリトリィの話の間の挿入なのに向かってくるのではなく向かっていく画作りである。キツい。
 アイーダが踊るように開いた扉から出てくる芝居が楽しい。ナニシテンノこのひと(笑)。
 キャピタル・ガードとアーミィとの士気の差、危機感の差が出る芝居の流れもいい。前者の経験からくる緊張感と、急ごしらえの後者のやるの気のなさの対比がいい。
 「ジャベリンはこう使う!」「なーにがジャベリンよ!」と戦闘を介して不思議と会話が成立する敵と味方。このみせ方はうまくてニュータイプ的感応が必要ない予感がある。
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